表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月下の光芒  作者: チェックメイト斉藤
魔獣駆除組織スペース
12/124

『お掃除』ロボット③

 急な展開に思考が追いつきません。


 ただ大きいだけのロボット掃除機だと思っていたルンパが電撃や光線を放ってきて、それをミヒロさんが受けきって………。


いや、なんで耐え切れるんだよ。

意外にも、冷静に突っ込める余裕が私にはあるようです。



 そんなこんなで今はミヒロさんに抱えられ、運ばれています。

ルンパからある程度離れたゴミ山の影に辿り着くと、ふっと私達を抱えていた腕の力が抜け、地面に放り出されてしまいました。

そのままその場に倒れ込むミヒロさん。



「いてて……。ね、ねぇ………、大丈夫?ミヒロさん……?」

姉が心配そうに声をかけます。



「…………あー、疲れた。お前らこそ、怪我は大丈夫か?」


投げ飛ばされたときに全身を強く打ちつけて、あちこち擦りむいてしまいましたが、感電してしまうよりは遥かにマシだと思います。

というか、普通に喋ってますけどミヒロさんの方が遥かに重症です。痛々しくて目も当てられません。



「いえ、これくらいなら全然平気です。助けてくれてありがとうございます」


「はぁ、なら良かった。今、ロボットはどうなってる?」


物陰から恐る恐るルンパを観察します。


「……私達を探してるみたいです。それと、さっきのビームで砲門が溶けてます」


「攻撃は一発限りだったわけか。それなら大丈夫そうだな」


「何が大丈夫なんです?」


ミヒロさんがポケットからスマホを取り出し、私達に手渡しました。


「その地図アプリにここに来るまで通ったルートが記録されてるから、それ辿って先に戻れ」


「えっ、ミヒロさんは?」


「この通り、しばらく動けそうにない」

自らの脚を指差すミヒロさん。

さっきの電撃の影響か、脚が、いや、脚とそれを指差す腕も小刻みに震えています。



「で、でも、こんなところに置いてくなんて」


「平気だ。数十分経てば動けるようになるし、光線が使えないなら、大抵の攻撃はどうとでもなる。それに、お前らが一緒にいる方が余計に危ない。」


「………わかった」

「ほら、行くよ。お姉ちゃん」


「あ、そうだ。先に帰っても安藤さんにはこのこと言うなよ?余計な心配掛けたくないから」


「えっと、エミさんですよね?わかりました」


「ほら行け」


しっしっと手を振って、こちらを追い払うような仕草。

それを合図に姉の手を引き、その場を離れました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ