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第七話　「古びたラーメン屋」

ここは、千歳の住んでいたマンションから少し離れた隣町にある

古びたラーメン屋。お店の時計の針が夜の七時を告げる頃

店内はお客さんで満員になっていた。そして次々とラーメンを食べにお客さんが来店してきていた。

今日も店内は忙しく、厨房では店長らしき人が

ラーメンのどんぶりにゆであがったばかりの麺とつゆを入れて卵とチャーシューを

盛り付けていた。

「秋山さん。これ、三番テーブル」カウンターにラーメンが入ったどんぶりを

次々と店長が置いていく

古びた店構えであり、店内も決して綺麗とは言えない環境の中でもラーメンの味は旨いのか、まあまあお店は繁盛していた。そんな中、店員は彼女と店長だけの二人だけしかいない、そして店は大混雑。

そんな状態の中で

「はい、お待たせしました！」「はい、もう少しお待ちください」

彼女、秋山千歳は一人で必死に働いていた。

ラーメン店の閉店時間を過ぎても千歳はなかなか店長から解放されなかった。

この日もクタクタになりながらラーメン屋を後にしたのは深夜０時過ぎだった

千歳はラーメン屋から徒歩５分の古びたアパートに帰ってきた。鍵をあけて静かに室内に

入った。その途端真っ暗闇から何かが飛んできて千歳の頬をかすった。

それは鋭いカッターナイフだった。

千歳は震えながらも玄関から室内を覗いた。そしておそるおそる部屋の電気をつけた

「おせーよ！！馬鹿野郎！！こんな時間まで何やってんだ」そう千歳に罵声を浴びせた男は

両手にビールと日本酒を持っていた。千歳が男にカッターナイフを手渡すと男は乱暴に

カッターナイフを床に叩きつけて千歳を睨んだ。

「ごめんなさい。すみません」千歳は泣きながら謝罪の言葉を繰り返すしかなかった

つづく