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再会と、同伴

昼食時なのもあって、酒場はいくらか混んでいた。

強めの酒と味の濃い料理を頼み、硬い木の椅子の背もたれにもたれかかる。

「お疲れだねぇ、兄さん」

どこか聞き覚えのある声がした。

つい最近聞いたような声が──

「よっ、元気してた?」

手首を一周する傷のある腕でぎこちなくピースサインを掲げるそいつは、紛れもなくお尋ね物となったイェンタイだった。

「何しに来た?」

「腹ごしらえにな。どうだい、調子は?」

イェンタイの顔は赤く、息は酒臭い。

相当飲んでいるようだ。

「お前のおかげで最悪に限りなく近いな」

「そいつはすまなかったな。詫びと言っちゃなんだが、いい話がある」

「いい話?」

「王都に行くんだろ?俺もついて行く。どうだ?」

「随分と自信過剰だな。……待て、俺たちが王都に行くことどこで聞きつけた?」

「耳敏いんでね。でなくても街はあんたの噂で持ち切りだぜ。」

「そうか、照れるな。噂はどこまで広がってる?」

「どういうことだ?」

「俺の過去や、今の仲間のことまで噂になっていないか、ってことだ」

ステラの話題ならまだなんとかなるが、テムの話が出ていれば変装も無駄になりかねない。

「そんな話は聞かないね。尾ひれのついた英雄譚だけさ。」

と、ため息混じりにイェンタイは言う。

「ならいい。」

「その様子だと、王都にあまり近づきたくない理由もあるんだろう。俺はついこないだまで王都にいた。あんたが用事をさっさと済ませて帰る手助けくらいはできる」

「指名手配犯を連れてか?」

「まあ、そこは秘策があるんで安心してくれ。絶対にバレない。約束する」

彼はジョッキの酒を煽り、自信ありげに言った。


「お前を連れ歩くデメリットに対するメリットは?」

「俺の魔法を見ただろ。俺は強い。立ちはだかる障壁に対する切り札に成りうる」

「お前の魔法を見たが、お前のうっかり加減は十分にうちのパーティを壊滅に追いやる可能性があるんだが……」

「……それは……まあ……何とかとハサミは使いようって……」

「自分で言ってりゃ世話ないなあ。まあいい。お前をこのままここに置いといてもろくなことをしなさそうだしな。手の届く所にいた方がまだ対処がしやすいだろうし、邪魔にならないのなら連れてってやる。ただし少しでも変なことを考えてみろ。今度は両腕を落とす」

「へいへい。俺はもう少し飲んでるから、あんたが会計する時に教えてくれな」

イェンタイは俺に背を向け、また酒をすすり始めた。

「はあ……せめて美味いもんでも食うか」

いつもより少し豪華な食事は、これからのことを思うと心なしか味が薄かった。

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