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再調査、行きました

それから3日後。

洞窟の再調査に駆り出されたのはやはりというか、俺とテム、そしてステラの3人だけだった。

ギルド職員や冒険者など死者もそこそこ出ているはずだが、迷宮消滅が確認されたので追加人員を出すほどの危険性は無いと判断されたのだろう。

「もうダンジョンの魔物や罠の危険はないとはいえ、油断はするなよ。野良の魔物やら野生動物にやられて死ぬ冒険者だって少なくはないんだからな」

俺はテムとステラに言い聞かせる。

何も強い魔物との戦いだけが冒険者の死因ではない。

崖を滑り落ちたり、イノシシを仕留めようとして返り討ちにあったりして死ぬ冒険者も結構いるのだ。

だいぶ強くなってきた上にあの妙な力を使える、はずのテムと魔法に長けたステラにその心配はないだろうが、万が一ということもある。

あの戦いを生き延びたのに、そんなことで死ぬのはやりきれない。

「分かってますわよ。ご心配なく」

「気をつけます。それにしても……何もありませんね」

「何も無いことの確認だからな。何かあったらそれこそ大変だ」

この調査はダンジョン化の原因究明と同時に、ダンジョンが完全消滅したことを確認するための調査でもある。

そもそも、魔力の少ないこの地域で、クイックシルバーなどという上位の魔物が出るようなダンジョンができること自体おかしいのだ。

普通洞窟が迷宮化する時は魔力の濃度が周りの空間より高くなることによってなるが、その魔力の源すら不明だ。

魔力の薄いこの地域では、洞窟を丸ごとひとつ迷宮化するほどの魔力は集まらないはずだと、魔法や魔力にはあまり聡くない俺にもわかる。

なので連続的に迷宮化が起こるようであれば、何か空間に漂う魔力と異なる原因があるということになる。

が、そんな心配もよそに洞窟は完全に元の廃坑に戻っており、魔物の類は見当たらない。時折カエルや蛇が足元を横切るくらいだ。

もとの洞窟の地図を見ながら、変化している場所がないか確認していくが、どうやら今のところ問題なさそうだ。

「レイノスさん、止まってくださいまし。魔力探知に何かの反応がありますわ」

洞窟の最奥、ステラが俺を引き止める。

「見たところ、危険は無さそうだが……」

足元の石を拾い、正面に放る。

特に反応はない。

「よし。俺が先に行くから、テムとステラはそこで様子を見ていてくれ」

洞窟の奥まで行くと、足元には鶏卵程の大きさをした漆黒の球が落ちていた。

見たところひび割れているようだ。

後から来たステラに見せると、確かに強い魔力を感じるが、見た事のないものであるらしい。

危険はなさそうなので拾い上げると、ずっしりと重い。

そしてよく見ると細かい亀裂が表面に走っていた。

「今回の迷宮化になんの関わりもないとはさすがに思えないし……これ持って帰るか」

俺は袋から蝋引きの紙を取り出して黒い球をくるむと、袋に入れた。

「そんな適当な持ち運び方で大丈夫ですの?」

「……どうだろうな。これが爆発とか発火するかもしれない。まあその時は何とか治療してくれ」

「適当なんだか、頼られてるのかわかりませんわね……まあいいですわ。何かあったら真っ先にポイするんですのよ。即死は治せませんのよ、わたくし」

「わかったわかった。気をつけるよ」

幸いにも黒い球は発火も爆発もせず、夕方には街に帰りつくことができた。

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