春、高校生活の始まり
海斗は堅い床で寝ている。なぜならあの姉妹が海斗のベッドを占領しているからだ。
ついでに頬も痛い。
「寝てる間お姉ちゃんに何かしたら許さないからね!」瑠々は海斗に人差し指を出して言う。
「なにもしねーよ、お前らなんかに興味ねーし。」っと言ったら瑠々にぶたれた。
海斗は理不尽だと思いながら、面倒くさいから渋々姉妹に譲る。
相手の要求さえ忠実に従えば問題は起こらない。そう思っていた。でも、海斗の心の奥底で、この考えに反抗している自分もいる。不思議だった。いつ頃こんな自分になっていたのだろう?
早朝なのか少し肌寒いがいつのまにか毛布が掛けられていた。
「か、海斗君!」
莉々が床に正座をして海斗を見ている。
「あの!ごめんね。瑠々が暴力振るって‥。」
「あー、大丈夫。あんくらいへーき。」
莉々はほっと胸をなで下ろし笑顔で言った。
でも、瑠々が起きたのか毛布を取り払う音で聞こえなかった。
「お姉ちゃんに何かした?」
瑠々は疑いの目で海斗を見る。
「何もしてねーよ」と言う海斗を睨む。
「わ、私はなにもされてないよ瑠々。」
瑠々はベッドに立ち、海斗を見下ろして、
「お姉ちゃんに何かしたら絶対許さないからね!」と言った。
海斗の部屋のドアがバーンと音を出し開いた。瑠々は驚いてバランスを崩し海斗の所へ落ちた。
「いたたた。」
「いててて。」
目を開けて見ると瑠々は海斗を押し倒していた。
ドアを開けた張本人の黎斗はその光景を見て騒ぎ立て、瑠々は顔を太陽のように熱を持って赤くなった。
作者メッセージ
初小説なので表現があいまいな部分や誤字脱字があるかもしれないので
暖かい目で読んでくださると嬉しいです。
次の更新は金曜です。