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序章
この作品は私の初めての作品となっています。文章を書く事が好きですが、至らぬ点があるかと思いますが、温かな目で見て頂ければ幸いです。
華咲りは、私が実際考えている事、体験した事を基に書いた作品です。揺らぐ夫婦と青春を過ごす女子高生の思いを表現しました。
これから連載をしていきますが、サブタイトルに花の名前が出てきます。それぞれの花言葉を込めた章となっていますので、お楽しみください。
序章[#「序章」は小見出し]
「で?これからどうするつもりだよ?」
「わ、私は…このままの状況を続けたい、と、思ってる…」
イヤフォンで爆音のラップを流しながら残り二日に迫った夏休み課題を片付ける。音量表示は二十分の十五の筈なのに憎い両親の喧嘩が密閉された空間に滑り込んでくる。流石にこれ以上ラップを流し込む訳にはいかなくて目の前の長ったるい英文との格闘に意識を向けた。早くこの長くて醜い家庭環境を変えたいと思いながらも、大人二人の狂騒にはどうしても賛成できない。そもそもこんな状態になった原因は両親そのものが創り出した馬鹿な過ちだった。