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第六話 喰う者の三帝


今日はクリスマスですね〜、


自分は今日友達が告白するので、


それが終わった後パーティやります。

 暗闇の中にある三つの影、暗闇に溶けていきそうな漆黒の龍・・・・・・、


 鈍い光を放つ鋼の鎧に赤い羽根飾りがついている兜をまとった騎士・・・・・・、


 猛獣のような四肢がある体に白い翼、鷲のように鋭い嘴を持った獣・・・・・・、


 なんとも異様な光景があった。


 異様な光景の先には黒水晶のようなもので出来た階段が続いていた、


 「まったく、我らの王はなぜこんな面倒なことをするんだろうか・・・・・・?」


 嘴を開いて獣が喋る、それに対し静かに答えるのは鋼の鎧だった、


 「おもしろいから・・・・・・、そう答えるに決まっておろう・・・・・・」


 声が兜の中に篭ることがなく、透き通った声だった、


 だが兜の間から見えるものは――虚空、鎧の中には何もない。


 「うむ、・・・・・・そうだろうな、それ以外考えられないな」


 暗闇に轟く遠雷のような声は漆黒の龍が放っていた、


 「ところで龍帝、バハムート殿、例の奴らをどうするのですか?」


 「ああ、ディスアクトの奴らか・・・・・・、禁忌の呪いを使うことになるかもしれないな」


 「全く・・・・・・、我ら三帝に歯向かう奴はただでさえ少ないというのに・・・・・・、


 奴ら『アイシクルウィンド』の輩はしぶといからのう・・・・・・」


 困ったように鎧が告げた、『アイシクルウィンド』はジェレイドが結成したディスアクトの集団だ。


 鎧は腕を組み、首をかしげる、


 「しかし、獣帝、ネグル殿の部下のアークスとかいうやつが、偵察に行ったそうだが?」


 その問いに、獣はピクリと反応した。


 「聞くところによると、


 その『アイシクルウィンド』のリーダーが炎を身にまとっていたという報告を受けた」


 そう聞くと鎧は何かを呟き始めた、あまりに小さい声だったので聞き取れなかったらしく、


 バハムートは聞き返した、


 「何か思い当たる事でもあるのか?」


 「うむ、もしかするとそれは神の力かもしれぬ」


 神、という言葉を聞いた瞬間、バハムートが表情を曇らせた、


 「ダメですよ、騎帝、デュラハン、バハムートにその言葉は禁句です」


 軽くネグルが言う、するとデュラハンが無い口に手を当て、鎧の体を音を立てて動かす、


 「おっと、すまぬなバハムートよ」


 「構わない、ところで何かしらの手はあるんだろうな?」


 デュラハンはもちろんというように頷き、自らの首を外して、その中から何かを取り出した。


 出てきたものは刀身が黒く、不気味に艶めいてる剣だった。


 「これが何だか分かるか?」


 デュラハンは他の二人に問い掛ける、


 「何ですかな? それは」


 「分からん」


 ネグルは丁寧に、バハムートは素っ気無く答えた、


 「これは呪いを掛ける相手に対し、傷を少しでも付けることが出来れば、


 確実に呪いを掛けることができるという代物なんじゃ」


 自慢げにデュラハンは言い、ネグルたちは感心する、


 「おお! それは凄いですな」


 ネグルは感嘆の声を上げて興奮したことを表すかのように白い翼を羽ばたかせる、


 「しかし我らの同志たちは手がない奴が多い、だから剣を使うことが出来ないのじゃ」


 ということは、ネグルは手がないので使えない、それにバハムートも手が短くて使えない、


 結果的に、デュラハンか物を掴める手の形状をしている者でないと使えない、


 しかも、下級のイーターではディスアクトに苦戦することは間違いない、


 イーターの数は多いが剣は一本しかない、


 なのでそれなりに強いイーターでなければならない、


 それに相手はディスアクトのトップともいえるジェレイドたちだ、そう簡単にはいかないだろう、


 「それに相手はロストが居るそうじゃ」


 デュラハンはない顔をうつむかせ、困ったように言う、


 「ロストだと? あの伝説に出てくるやつらか」


 「しかし、それは伝説上の話しではないのですか?」


 ネグルは半ば信じがたいという感じで聞き返した、


 「残念ながら現実におるのじゃ、ロスト専門の同志がその情報を持ってきたんじゃ」


 ロストとは誕生と死を司る象徴として、伝説上に存在した、


 「だが、ロストといえどもこの禁忌の呪いには勝てぬだろう」


 そして、三つの影は闇へ溶けていった・・・・・・。




 ジェレイドは困っていた、ガウスも困っていた、その場に居る全員が困っていた。

 

 依頼が溜まっていて、そのやっていなかった依頼をこなすのにしばらく、


 ジェレイドがこの隠れ家を開けることになったのだが・・・・・・、


 (正確にはギルドといって、他の地域にも数ヶ所ある)


 ソラを連れて行くわけには行かないということでソラと討論になったのだ、


 普通ならばこの大人数を相手にすれば引き下がるのだが・・・・・・、


 ソラは一向に引き下がる気配を見せず、


 むしろ説得しようとすればするほど抵抗してくる、


 「いいから、お前はしばらく皆と一緒にここに居ろ!」


 「やだ! 私もグラン――」


 ソラがグランドと言いかけた瞬間、


 恐らくいままで一番瞬発力を使ったに違いない速さでソラの口に手を当てた、


 《その名前を言うんじゃない!》


 小声で、しかし強くソラを注意する、


 《はぁい・・・・・・、でも連れてってくれないと皆に言うよ?》


 ソラは意地の悪い笑みを浮かべて、ジェレイドに要求する、


 ジェレイドは数秒悩んだ末、結論を出した、


 「しょうがない、このままでも埒があかないからな、連れて行くか」


 ジェレイドは渋々承諾した、


 しかし、連れて行って喰われてしまったら元も子もないので、


 敵がいたらすぐに逃げること、


 敵に見つかったらすぐに逃げること、


 とにかく逃げること、


 この約束を守ることを約束した、


 「さて、まずは『二クロディアのイーター殲滅』の次は『エンジロの要塞破壊』


 他には『フェリドルのイーターの撃退、もしくは殲滅』か、


 しばらく帰ってこれそうにないな」


 このギルドがあるのはエンドと呼ばれる町があった場所、通称最後の町、


 エンドから一番近いのはエンジロだが、一番近いといっても二〇〇キロはある、


 問題はその間に休む場所が全くないということだ、


 体を洗うのには川の水を使えばいいが、食料がないのである、


 ディスアクトのジェレイドは何も食べなくてもいいが、


 ただの人間、ソラは食べなければ餓死してしまう、


 「ねぇねぇ、ジェレイド〜、この人を連れてけばあの実が食べられるよ?」


 ソラはガウスを指刺しながら言った、


 「そうだな、あれならいくらでも取れるし大した荷物にもならないな」


 「ん? それは俺に食料調達係兼荷物持ちをやれと?」


 ガウスは案の定騒ぎ始めたが、ソラがすぐに黙らせてしまった、


 ガウスは渋々リュガの実をポーチに詰め込み始め、


 手にはとりあえずグローブを手にはめる、


 「おっし、いつでも行けるぜ、


 ・・・・・・でも途中で何があっても怒らないでくれよ?」


 「大丈夫だろう、そんな簡単に事件は起こらないだろうからな」


 そういってジェレイドは隠れ家をでた。




 エンジロの要塞の中に、西洋の鎧がたたずんでいた、


 無言で、微塵も立たないほど静止していた、


 「・・・・・・、もうそろそろかのう?」


 動かなかった鎧、デュラハンは無い口を開き呟く、


 現在、ジェレイドたちが隠れ家を出て二日が経っていた、


 通常ならばもう着いてもいい頃なのだが、


 「ぬぅ・・・・・・、遅いのう」


 デュラハンは待つことに飽きていた、


 もう一三時間も待っていた、


 「寝るかの」


 そう呟くと遠雷のようないびきが要塞の中に轟き始めた。




 「・・・・・・、これはどういうことだ?」


 ジェレイドは目の前にある河を見つめていた、


 濁流が音を立てて流れ、土は抉り取られている、


 大きな橋が在った痕跡らしいものは無い、


 そんなに大きな河ではなかったのだろう、


 横で見ていた、ガウスはここに来てやっと口を開いた、


 「すまん、これ俺がやったんだ」


 「・・・・・・、本当か?」


 ジェレイドが聞き返すと、ガウスは、


 「ああ、この前の依頼で山奥に言ったときに、


 湖の辺をぶっ壊しちまって・・・・・・、それがこの河に合流しちまったんだ、


 だから来たくなかったんだよ」


 ジェレイドは、


 (まあいいか、故意にやった訳じゃないんだ)


 思って、背負っていたソラをしっかりと背負いなおし、


 「跳ぶぞ」


 そう言うと、ジェレイドは高く、放物線を描いて跳躍をする、


 それに続いてガウスも跳ぶ、


 「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!」


 ソラを背負った状態で悲鳴を上げたため、


 ジェレイドは耳鳴りがしたらしく顔を歪めた、


 (あいつらの姿を見たら失神するんじゃないか?)


 ジェレイドはそんなことを考えて目的地へ走り出した。

とりあえず保存しておいた分は終わったんで、


これからは更新が遅くなると思いますが、


ご了承ください。

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