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第四話 白銀の龍

 ジェレイドが鍛錬に向かい、外に出て行った数分後、


 エリサ起きて、何があったのかを問い掛けてきた。


 それにチェルが簡潔に答える。


 そのとなりで先ほどの男は、自分の体験を元に注意する。


 エリサは笑い、掌に精神を集中させて力を具現化する、


 パチパチと何かが弾けるような音とともに、


 掌に蒼い稲妻が生まれた。


 酒をグラスに注ぎ、指をはじいて稲妻をグラスに向かい飛ばす。


 すると、酒のアルコールに引火して、大きなロウソクのように燃えはじめた。





 荒れた廃墟を進むジェレイドは、常に集中して右手に炎を灯していた。


 ジェレイドは歩くのをやめて、瓦礫に腰を掛ける。


 右手の力の規模を大きくし、先程の炎よりも大きくする、


 そして手袋のように手を炎で包み込む。


 ジェレイドは炎の手袋を見つめ、思う、


 (これだけの炎に包まれているのに、全く熱くない・・・・・・、不思議な感覚だな)


 力の規模をさらに大きくする、


 徐々に増えていく力を意図も簡単に制御できるのは、


 彼が500年以上戦い 続けている、ディスアクトだったからである。


 戦場で冷静を保てなくなれば、それは死を意味する、


 冷静を保つためには精神力が無ければならない。


 精神力を鍛えるため、毎晩、3時間以上、


 1日も忘れず、瞑想をしていた。


 その行為を、五〇〇年以上も続けてきた彼だからできる技だった。


 ジェレイドは瓦礫を崩し、埋まっていた鉄の棒を取り出し、


 それを使って剣術の鍛錬もする。


 炎を消さないように心がけ、剣術を繰り出していく、


 「――はっ!! ん?」


 棒を振るっていると、あることに気が付いた。


 (チッ・・・・・・、熱で鉄が溶け始めたか)


 溶けた鉄の棒を投げ捨てて、炎を消す、そして来た道を辿っていく、


 廃墟を抜けて広い野原に出たとき、


 とてつもない大きさの咆哮がジェレイドの耳をつんざいた、


 「ッ!?」


 ジェレイドは思わず耳を塞いでしまう。


 後方を見ると、巨大な白銀のトカゲのような体に大きな翼を持ち、


 頭には鋭い角が生えている生き物がいた。


 そして、その頭上には翼を持ったイーター、アークスがこちらを見下ろしている。


 「やあ、遊びに来てやったよ」


 不気味な笑みを浮かべ地に降り立つ。


 「なんだそいつは・・・・・・?」


 ジェレイドは鋭く睨み、アークスに質問する。


 「そんな怖い顔すんなって、答えりゃいいんだろ?」


 アークスは気が抜けるような口調で説明をはじめた。


 「コイツはドレイク、俺のかわいいペットだ」


 ドレイク(ドラゴン)? 伝説上の生物じゃなかったのか・・・・・・。


 「俺は帰るから、コイツの相手してやってくれよ?」


 アークスはそう言うと、翼を羽ばたかせ空へと飛び立った。


 ドレイクは喉を鳴らして、ジェレイドを威嚇している。


 その口からはチロチロと白銀の炎が溢れていた。


 「ちょうどいい、力をコントロールできるか試してみるか」


 ジェレイドは手に炎を具現化して、手を包み込む。


 そして、規模を少しずつ大きくしていく。


 ドレイクはそれを戦闘開始の合図と見たのか、


 ジェレイド目掛けて白銀の炎を吐き出した。


 ジェレイドは手をかざし、炎を受け止め、炎は弾けとんだ。


 「フンッ・・・・・・、大したこと無いな」


 すると、ドレイクはジェレイドの真紅の瞳を見据えて、翼を大きく開く。


 そして、優雅に宙を舞うと、空中から大地に目掛け白銀の炎を吐き出し、


 野原が白銀の炎に包まれた。


 凄まじい熱がジェレイドを襲い、肌がチリチリと焼けるような痛みを感じる。


 「クソッ・・・・・・! 攻撃が届かない」


 しかし、ジェレイドは慌てない。


 攻撃が届かないなら届かせればいい、


 ジェレイドは炎を指の先端にあたる部分を鋭く尖らせる、


 そして、力を最大限に引き出して、ドレイクの体を包み込むことができるくらい、


 巨大な鈎爪に変化する。


 「問題は・・・・・・、物理的な攻撃かどうかだ!」


 言うと、目にもとまらぬスピードでドレイクの頭上から大地へと叩き落す。


 ゴスッ、という鈍い音とともに、ドレイクは土煙を上げて大地に激突した。


 「グッ・・・・・・、ゴアアアアァァァァ!」


 唸り声を上げ、ドレイクはジェレイド目掛けて低空で滑空してきた。


 それを炎の腕で受け止めると、鷲掴みにして握りつぶす、


 骨の折れる感触が炎を伝って感じる。


 あまり心地のいいものではない感触が、手に溢れるように伝わってくる。


 ジェレイドは地面に屍を落とすように、手も平を下に向け炎を消し、


 屍を確認しようとしたが、


 そこに在るはずの屍は無かった。


 「消えた? 燃え尽きたか?」


 黒い煤も、白銀の灰も落ちてこない、


 まるでそこに存在しなかったかのように白銀の竜は消えていた。


 しかし、新たな存在も生まれていた、新たな力を手に入れて。

メモ帳から書いているので少しくらい書きだめしているんですが、もうそろそろきれそうです、

更新が滞るかもしれませんが、気長に見守ってくれると嬉しいです。

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