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第三話 神々の力


 空は闇に覆われ、星たちの輝きが明るさを増していた。


 その下、荒れた道を黙々と歩いていくジェレイドとエリサは少女の容態を気にしていた。


 急がないと死ぬ・・・・・・、しかし走るとふさがりつつある傷が再び開いてしまう。


 傷が開けばさらに出血が増えるだろう、そうなればより早く死んでしまう。


 それ故に走れない、急いでいるのに走れない。


 時間は無情にも過ぎ去っていく・・・・・・。




 ジェレイドたちは居るべき場所の扉の前にいた、やっと来れた、喜びと焦りを胸に扉を開ける。


 「おい! 緊急事態だ、カルナルドの生存者が怪我をしている!」


 その一言に賑やかだった場所は静まり返り、慌て始めた。




 数分後、ベッドの上にはミイラのように包帯でぐるぐるになった少女が居た。


 「とりあえずはこれでいいな・・・・・・」


 ジェレイドは手で汗を拭い、椅子に座り込んだ。


 テーブルにあったビールのグラスを手にとり飲み干す。


 長い夜が終わる、みんなが眠りに就き静まり返った。




 静寂があふれる建物に、音を立てて駆け寄る影があった。


 「おい・・・・・・! 全く、チェル、お前は気配を消しても音が出てるんだよ・・・・・・」


 チェルと呼ばれた少女は笑いながら建物の扉に手を掛けながら言う、


 「いいじゃろう? 殺気を放ってるわけでもないんじゃから」


 彼女の口調が独特なのは、彼女が世界各国を旅しているからである。


 見た目は10代後半だが、ディスアクトは歳を重ねることが無いので年齢は分からない。


 背中には身長より長い太刀と、その半分の長さも無い小太刀を背負っていた。


 ガチャと音を立てドアのぶを回し扉を開ける。


 「まだ起きてたの? あら・・・・・・? チェルじゃない! 久しぶりね」


 エリサが奥の椅子に座り『スピリタス』とラベルが張ってあるビンを持っていた。


 「!? お前、何飲んでんだ!?」


 スピリタスとはアルコール度が96度という最も純度が高い酒である。


 普通ならばカクテルや、消毒液として使用されるのだ、原液のまま飲むやつはいない。


 「んあ? これ? 薬用の戸棚の奥にあったんだけど?」


 エリサは全く酔っている様子が無い、


 普通ならば、刺すような痛みと強烈な焦燥感があるのだが・・・・・・、


 恐らくあまりの焦燥感にイカれてしまったのか?


 「全く・・・・・・、酒に強いからといってそんなものを割らずに飲んだら体に悪いぞ?」


 となりにいたチェルがからかう、


 「だい、じょ〜、ぶ、よ〜」


 切れ切れに言い、ばったりと気絶するように寝た。


 やはり体がおかしくなっていたようだ。


 ジェレイドは隅にあったソファーで眠ろうとした、しかし、


 「明日の朝、大切な話しがあるからの、皆を早く起こしといてくれ、たのんだぞ」


 チェルはそう言い椅子に座りテーブルに突っ伏せた。


 すると、すぅすぅと寝息を立て眠りについた。


 ジェレイドはそれを確認するとまぶたを閉じて夢の世界へと迷い込んでいった。




 翌日、ジェレイドが目を覚まし、窓の外を見ると陽は高くなっていた。


 昨日チェルに言われた通り、寝ていたみんなを一人ひとり起こして、最後にチェルを起こした。


 「なんじゃ・・・・・・?もっとゆっくり寝かせてくれんかの?」


 寝ぼけながら聞いてくる、それに対しジェレイドは冷たく、


 「お前が昨日、みんなを起こせ、って言ったんだろうが」


 言うと、チェルはそうだったというように飛び起きた。


 チェルはカウンターの奥に行き、グラスに水を汲んでテーブルに置いた、


 何をするのかと思いみんながテーブルに集まってくる、


 「儂が、各地の遺跡を探索してたときにな、古い文字で、


  『滅する者、神の力を振るい食う者を殲滅せよ、神の力は己の精神を試す・・・・・・』


 と書いてあったのじゃが・・・・・・、まあ、実際に見せた方が分かりやすいじゃろう」


 チェルはそう言い、グラスに手をかざす、するとグラスの中の水が、


 パキパキと音を立て瞬時に氷塊と化した。


 「どうやってやったんだ?」


 ジェレイドは不思議そうにグラスを見ている、


 「儂らが強制的に契約させられた神々がいるじゃろ? そいつらの力じゃ、


 まあ、簡単に言うと力を具現化したい場所に精神を集中させればいいんじゃ」


 ジェレイドはその言葉を聞き、自らの手を見つめ、言われたとおりに精神を集中させる、


 すると、ボオッと音を立て煌々ときらめく焔が燃え盛り始めた、


 「熱くないのか?」


 一人の男が心配そうに聞いてくる、それにジェレイドは、


 「ああ、何故だか知らんが熱くはない」


 そう言うと男は安心したように掌を見つめ、しばらくすると同じように焔が燃え始めた、しかし、


 「熱ッ!」


 男は焔を吹き消して、カウンターの奥に掛けていった、


 「どうやら、精神を試す、というのは精神力がないと自分にも被害が出てしまうということなのかの?」


 チェルは首をかしげて聞いてくる、


 「そんなのは知らん」


 ジェレイドはそう言い、外に出て行く、


 「どこに行くんじゃ?」


 ジェレイドは短く、


 「この力の鍛錬にいってくる」


 いうと、外に出ていった。


 この力はこれからの戦術を大きく変えることだろう・・・・・・。


 ジェレイドは期待という正の感情と、


 力を制御ができなくて、危険に犯されはしないかないか・・・・・・。


 という負の感情が入り混じった複雑な気持ちで鍛錬に向かった。



 

疲れました、非常に疲れました。

何かキャラが被りそうですが・・・・・・、気にしないでください。

感想やメッセージくれると嬉しいです^^

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