新キャラのヤンデレ要素なんてまったく求めてないんだ
久々のクズヒロの更新です。
今後はもっと話を増やせるように頑張りたいと思ってます。
ここのところ、平凡とはかけ離れた日々を送っている。フィクションの世界とはいえ、ずっとキャラクター達に振り回される毎日。
だから、私は今一度心に刻みつけることにしていた。キャラクター達なんかに絶対に心乱されない。完全な「無」になる。面倒ごとが避けられない運命なら、終始淡々と過ごす。私は最近、感情的になりすぎている。だから、余計に疲れるんだ。
淡々と無になってバイトをし、無になって人と接し、無になって家に帰る。
休日は何があっても絶対に家から出ない。耳栓をして寝続ける。
私はそう、心に決めていた。
それなのに、なんでこんなことになっているんだ。
今日はバイト日だったので、普通に出勤して普通に仕事をして普通に家に帰って普通に寝るはずだった。
そう、寝るはずだったんだ。家を出る前まではそう、思っていた。
それなのに、そのベッドで現在大変なことになっている。
「ちょ、ちょっと、あんた気はたしかか!」
「………レイ、俺だって本当はこんなことしたくないんだよ」
現在20時、自宅。
私は右手を押さえつけられて、跨がれている。しかも、ありえないことに自分のベッドの上でだ。
ある意味この世界にやってきて一番のピンチに陥っている。
そのピンチというのはセクシャルな意味ではない。命の危機という意味でのピンチだった。そのため、私はずっと青ざめながら目の前の男を見上げている。
「でも、しかたないんだ。こうするしか………こうするしか………」
目の前の男は苦しそうに顔を歪ませながら、身動きの取れない私めがけて鈍器のような分厚い本を振りかざそうとしている。
「おい、やめろ……マジやめろ」
おいおい、そんなもので殴られたらシャレにならないぞ。
痛いなんてものじゃないぞ絶対。
「こうするしかないんだ」
やばい。こいつ、目がマジだ。
「ふっざけんなっ!このピンク頭!普通に怖いわ!!この人殺し!!」
私は恐怖で思わず、声を張り上げた。男は私の大声に驚いたのか一瞬、目を見開く。
わずかに沈黙した後、男は震えだした。
「レイはそんな………そんな言葉遣いはしない。やっぱり、こうるしかないんだね。こうするしか、元のレイに戻せないんだ」
男は悲しそうに眉を寄せ、涙をポロポロを落とし始めた。
次々と涙が瞳から流れ、私の頬に落ちる。
おいおいおい、なんでそっちが泣くんだ!泣きたいのはこっちなんだぞ!
ていうか、私の頬に涙を落とすな!
「ちょっと!……どけよ!泣くなよ!振りかざすなよ!」
「俺がなんとかしてあげるから、安心して」
男は軽く手の甲で涙を拭い、ふわりと優しく微笑んだ。
「ひいっ」
怖い。涙を溜めながらの笑顔がめちゃくちゃ怖い。顔が良いだけに余計に怖い。
なんで、平凡に過ごそうと心に決めていた途端、こんな目に遭うんだよ。新キャラのヤンデレ要素なんてまったく求めてないんだ。
なんで、よりにもよって今日うさぎがいないんだよ。




