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なんで避けるんだよ

窓から指した光が顔に当たり昏々とした眠りから起こされた。


「まぶしっ」


私は毛布を顔にかけ、再び眠りを貪るため枕に突っ伏す。


「おはよう。と言っても、もうこんにちはの時間なんだけどね」


私が眠りから覚めたことに気づきうさぎが近寄ってきた。

私は枕に突っ伏したままベッド脇のサイドテーブルの上に置いた懐中時計に手を伸ばした。懐中時計を手元まで持っていき、時間を確認する。


11時30分。


「まだ11時30分か」


私はベッドに潜った。


「もう、11時30分だよ」


「……耳元でしゃべるな。うるさい」


うさぎが再び眠りに落ちようとする私を邪魔するかのように話しかけてくる。


「今日は風も強くないしそれほど肌寒くないよ」


「……」


「お腹すかない?朝から何も食べてないでしょ?」


「……」


「あんまり寝すぎるのも体に良くな――」


「……うるさい」


私はうさぎのいる方向に手を伸ばし思いっきり掴もうとした。でも、ぼんやりとしている思考のためか掴めなかった。


「おっと、久しぶりだね」


うさぎは私が寝転んでいる位置では決して掴めない場所まで移動した。


「レイが起きるまで延々としゃべり続けるよ」


「………」


「ほらほら、起き――うわっ!」


あまりにもイラっとしてしまったため蒔ストーブの近くに置いたあった火かき棒でぶっ刺そうと思い、ノアを使いうさぎに向かって投げた。


「ちょっと!僕を殺す気!?」


「なんなんだよ。私が寝起きが悪くて睡眠の邪魔されるのが嫌いだって分かってるだろ?何で邪魔するんだ」


私はのっそりと起き上がり目を擦りながらジトっとうさぎを睨み付けた。


「いくらなんでも外でやってもらっているのに寝入ったままなんて失礼すぎるって」


うさぎも私の睨みに負けじと身を乗り出す。


「外?」


何言ってんだ。


「君忘れたの?昨日の条件の話」


「あぁ」


そういえばそうだった。


「声ぐらいかけてあげなよ」


「いるの?」


「いるよ。君が言った条件通りに今やってる」


「あぁそう」


私はベッドに倒れ、毛布に包まった。


「こらこら」


うさぎは小さな手で毛布を引き剥がそうとする。うさぎの力なんてたかが知れているがそれでも引っ張られる感触が鬱陶しい。


「昨日あの子に言ったじゃん。終わったらそのまま帰っていいって。いちいち顔出す理由がない」


私は毛布に包まりながら唸った。


「いやいや、君はあれをやってもらっている身なんだよ?」


「それが条件だ。金出せって言ったわけじゃない」


「ほら、見なって。たいへんそうだよ」


うさぎは窓のほうに移動した。


「ほら起きて」


「なんだよ。うさぎには関係ないだろ」


「このまま君を放っておくとそれこそダメ人間になっちゃうから」


別にいいじゃん。ここではダメ人間でも。


「ほら、起きなって」


「……」


これ以上私の睡眠の邪魔をするとマジでぶち切れぞ。


「はやく来なよ。ほらほらほらほら」


「……」


このブさぎ。


私はさきほど投げた火かき棒に目をやった。そして右手のノアでそれを空中に浮かばせ、うさぎに焦点を合わせた。うさぎは外を見ながら騒いでいるため気づいていない。


私はうさぎ目掛けて投げた。


「はやく……ってうわっ!」


うさぎはまた見事に避けた。


ガン!



うさぎには当たらなかったが別のものに当たってしまった。

窓に当たった。

当たった振動や音が家中に響く。でも、先端を向けて投げなかったため幸いに割れることもヒビも入らなかったみたいだ。


おそらくその音は外にいるはずの人間にも確実に聞こえただろう。


コンコンコン。


誰かが慌ててドアを叩いている。

さっきの音のせいだ。


「なんで避けるんだよ」


「避けるでしょ普通」


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