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名前のない青春  作者: 梨音
文化祭の企画と過ぎる日々
9/12

第9話「選択」

 明とセンパイが提案したパスタの店に行く。


「センパイってパスタ好きなの?」


歩きながら隣にいるセンパイに尋ねる。


「えーっと。めん、よく食べるからさ」


『好きなの?』と聞いたのに『好き』という言葉を使わないセンパイ。


 そういえば、好きなものの話をしたときのことを思い返す。センパイは勉強が好きと言っていた。


「ここかな?」


明がスマホを見ながら信号の先にある建物を指さす。


「へ~。こんなところにあるんだ」


パスタをよく食べるセンパイも知らないところみたいだ。


信号を渡り、白を基調とした、おしゃれなパスタ屋に入っていく。幸いにも店はすいている。そしてお腹もすいている。


「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」


丁寧に対応をしている店員さんにセンパイが人数を伝える。


 窓辺にある景色の良い席に案内されると、明がため息をつく。


「どうしたの? 明」


明の表情がかたくなる。


「いや、外食なんてひさしぶりで、緊張が」


明の言葉にうなずきながら、私にメニューを渡してくる。


「でも、あこがれていたのかな。友達との外食」


かたい表情が少しゆるむ。


「んー。僕は……。カルボナーラで」


まるで話を聞いていないように注文を決めるセンパイ。


「明君は?」


メニューを明の前に差し出す。


 私も何を食べるか決めなければ。メニューを端から見ていくが、どれもおいしそうだ。


「センパイのおすすめはありますか?」


「そうだなぁ。和風パスタかな」


「え! 気になる!」


そんな会話をしていると店員さんが水を出してくる。


「ごゆっくりどうぞ」


店員さんが去っていく。


「俺、たらこパスタで」


「じゃあ、注文しちゃうよ?」


「はい! お願いします!」


思わず店の雰囲気に合わない大きな声で返事をしてしまった。

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