第3話「センパイ」
先生の話をなんとなく聞いて窓の外を見る。校庭の桜はもう散っている。ホームルームが終わり、生徒委員会室に向かう私。
「明、もういるかな」
スマホを取り出し、明にメッセージを送る。
「今、ホームルーム終わった」
画面を閉じ、また歩き出す。生徒委員会室の看板が近づいてくる。
スマホが振動する。きっと明からだろう。メッセージアプリを開くと、スタンプが一つ、映っていた。
「なんだ。それだけか」
そう思いながら、生徒委員会室に入っていく。
部屋の中には、机が六個、班の形になって設置され、椅子も六脚置いてあった。そして、部屋には先輩らしき人物が構えていた。
「おっ。こんにちは。どうぞ、好きなところ座って」
「生徒委員会の方、ですか?」
適当な椅子に座る心。
「そうだよ~。新二年生の小寺 感斗。珍しい名前だけど覚えてね」
「私は川田です!」
センパイは感じよく手元のメモ帳に何か書く。
「何で、生徒会なんか入ったの?」
ペンをカチカチしながら私に問いかける。
「うーん。何となく? ですかね」
スマホをポケットから取り出す心。
「何となく……。ね」
メモ帳とペンをトートバックにしまう。
「すみません。遅れました」
明が部屋に入ってくる。
「あっ! 明だ!」
「知り合い?」
すかさずメモ帳を取り出すセンパイ。明はキッパリと答える。
「中学からの友人です」
「へぇー。ちなみに、僕は感斗。小寺 感斗。よろしく」
そう言いながらペンをはしらせる。
「私は足神 明です。こちらこそよろしくお願いします」
明の一人称が私になっているのに気が付き、つい、にやける。
「……メンバーそろったね」
センパイがそう言って、足を組む。