物語のお休み
「おーーい!!物語、どこ行った?なぁ、物語」
「なんだい……」
「どうした、物語。モザイクなんてかけて…」
物語には、モザイクがかかっている。
「恥ずかしいからね。皆に見られたら…」
「そうか、今日は、小説家の脳内から、覗かれる日か……」
「小説家っていってもまだプロじゃないからね」と、物語は、説明する。
「つまり、物語は、作家の頭を覗ける窓ってことだよな。それじゃ、モザイクかけなきゃ困るな。作家は、頭の中散らかっているから。見られたら、ずっと、言い訳しなくちゃいけない。時間のムダだな」
「そうなんだ……。
ってか、本当はヒロオ君。僕が窓なら、君は物語の舞台であり、舞台セットで、登場人物にもなるべきなんだ。それを、通りすがりのお兄ちゃんみたいに出てきて。
ってことは、今、物語は通りすがりのお兄ちゃんを表現しているってことか…」
「俺が、通りすがりのお兄ちゃんか…。
ってことは、俺が今、ボケーッとテレビ視て、そして視ているドラマに『終』の文字。
その後、そのまま、畳で寝て終わらせたら、この物語も終わりって訳だ」
「まあね。
何も進展せずに。
つまり、君は、『物語』の僕を捜して、実は僕は脳内の窓で。本当は、君自身が物語だったと気がついたけど、それを置いといてゴロッと寝ようとしているんだよ……」
「待って、その…待って、あと少しだけ……」
「しばらく、お休み!!」物語(脳内の窓)は、言った。
終
あと少しだけ、お休みかなぁ。