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私の家族は、誰一人血の繋がりのない赤の他人でした。

作者: 七瀬








私は20歳になるまで知らなかった。

この歳まで知らないでいた事は、私にとっても良かったのかもしれない!

私が産まれる前から、父と母と兄姉が居た。

私は3人目の末っ子で、お兄ちゃんお姉ちゃんに甘やかされて育つ!

父も母も私にとても優しかった。

無償の愛情を感じたし、何の疑いもなく私はスクスク育ったのだ!

でも? ある時、家族会議があると言って父親が私にこう言った。





『実は、美絵? “お前にずっと隠してきた事があるんだ!”』

『えぇ!? 何、急に改まって?』 

『“俺達はみんな他人だ! 誰一人血の繋がった者はここには居ない!』

『・・・えぇ!? な、何を言ってるの?』

『直ぐに理解してほしいと訳じゃない! 時間をかけて、ゆっくり理解

してくれればイイと思ってるんだ!』

『お父さん! お母さん! 嘘よね? お兄ちゃんもお姉ちゃんもその

事知ってたの? なんで急に、そんな話になるの、』

『お前が産まれた時に、“ある人に頼まれて、【ニセの家族を作った】

んだよ、“今! ここに居る家族は本当の家族じゃない!”』

『・・・そ、そんなの嘘よ! 嘘って言ってよ、ねえお母さん!』

『ご、ごめんなさい、ずっと黙ってて、』

『嘘よね? お姉ちゃんからも何か言ってよ!』

『知ってる? “わたしとアンタ、顔似てないでしょ! 他人だからよ!』

『・・・お、お兄ちゃん!』

『ごめんな、黙ってて! でもオレは本当の妹のようにお前に接してきた

つもりだよ、美絵!』

『・・・お、お父さん、』

『“今日でこの家族は解散する!”』

『う、噓でしょ? な、なんでよ、なんで今なの?』

『お前が20歳なったからだ! この日をみんな待っていたんだ。』

『本当に家族がバラバラになっちゃうの?』

『あぁ! みんな元の所へ返る!』

『・・・も、元の所へって、何処に返るっていうの?』

『俺は元々、ホームレスだった!』

『ワタシは身寄りのない子供の施設で働いていたわ!』

『おれは本当の家族の元へ!』

『わたしは彼氏の所かな。』

『・・・・・・』

『凄く楽しかったよ、“ありがとう!”』

『ワタシは“子供が産めない体でね!”アナタが血が繋がっていようが

なかろうが、本当の娘だとこれから先もそう想っているわ!』

『オレの妹で居てくれてありがとな。』

『・・・ううん。』

『またね!』

『うん。』






・・・“私の家族は、私が20歳のこの年に解散した!”

ドラマのような嘘みたいな話で、あれから半年たった今でもまだ私が実感

が湧かない。

あの幸せな家族は、もうここには居ないのだ!





そもそも、“私の血の繋がった本当の家族は何処に居るのだろう?”

今も生きているなら、会ってみたい!

でも? 血の繋がらい、父も母も私の本当の家族の事になるとはぐら

かしていた。

私に何も話したがらないという事は? どういう事なのだろう。




ただ、解散した家族は年に一回、家族が集まって食事をする。

誰一人血の繋がらない家族が集まって食事をする事はなんだか不思議でも

あり当たり前に、あの頃はあった日常なんだと気づかされる。

嘘偽りのない会話で家族が笑い合う今が、“本当の家族だったと私は思う!”

血が繋がっていなくても、お互いを分かり合えるなら、、、?

“それは、真の家族ではないのかと、、、。” 




【私は一人じゃない!】

そう想わせてくれるのが、“この家族なのだから!”


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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