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第18話


「聞いたか?」

「なんでしょう?」

「最近この辺で犬に噛みちぎられた女性の死体が発見されたって話! 物騒だよな!」


 物騒ですねぇ。

 そんなローカルなニュースにも宗治くんは目を通しているんですね。


「オレさ、これ犬の仕業じゃないと思うんだ!」


 都内で人を襲う野犬が出てきたのだとすれば大問題ですが。

 まあ人が人を襲ってその後に犬がやってきたという話でしょう。

 おそらくは。

 噛みちぎられた、と断定されているのに“犬”ではないとはこれいかに?


「狼男だよ! 人狼っていうの?」

「はい?」

「ほら! この前映画やってたじゃん? それそれ!」


 何を言い出すのかと思えば。

 オフの時に観た映画の影響ですか。

 実在するわけがないでしょうよ。


「すぐ感化されますねぇ」

「作倉の能力? みたいな感じで! そういうヤツもいるんじゃないかって!」

「オオカミに変身する能力ですか?」

「そうそう! 普段は優しくていいやつなんだけど満月の夜だけ内に秘められた力が解放される的な!」


 傍迷惑ですねそれ。

 被害者も出ていますが。


「デタラメに強いんだよ! ナイフで切られても銃で撃たれても無事! すぐ治っちゃう!」

「なら、どうやって止めるんですか?」

「そこは愛の力でどうにか!」


 そんな得体の知れない力でどうにかなるのはフィクションだけでしょう。

 もっと現実的な対処法を考えてくださいよ。


「……でもさ、そういう能力者が出てきたらみんながみんな『能力者は人を殺す悪いやつ』って思っちゃうよな」


 突然冷静になるじゃないですか。

 イメージは悪くなるでしょうねぇ。


「まあ、そうですね」

「しかも狼男のほうもいつもなら穏やかなのに! 迫害されるなんておかしい!」


 自業自得といいますか。

 そう生まれてしまったならその運命を受け入れるべきでしょう。

 この過去と未来を視る力が治らないのと同じように。


「能力者は保護しよう! よし! 能力者保護法! 作るぞ!」


 いいこと思いついた!

 と言わんばかりに草案を作り始める宗治くん。


「人殺しも保護するんですか?」

「罪は償うべき! 世界平和のために、不幸な人間は1人でも減らさないといけないからな! 全人類が幸せでないと!」






【そんな怪物を作り上げる】

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