表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/43

第5章(5)

急に言い出したクリスティーナにルイスは目を丸くした。

「えっ。ほんとに行くの?」

「ええ、今度こそ本当に決めたわ。今回のその炎が本当に魔法の力なのかどうか、それを知るために」

きっぱりと言い切るクリスティーナのその言葉には、もうどこにも迷っている節は見当たらなかった。

「そっか、じゃあ。僕達の行く影の都よりも、もっと遠くへ行かないといけないんだね」

「そうね。そういうことになるわね」

「一人で大丈夫?」

ルイスが心配そうに彼女に尋ねた。

「たぶん、大丈夫だと思うわ」

「なら、星の石をもらおうか」

フィルは何の感情も持ち合わせていないかのように、冷たく言い放った。

「フィル、何も今そんな話しなくてもいいじゃないか」

彼の憮然とした態度に、ルイスは非難がましく言った。

「けどよ、俺は約束通り、太陽の塔まで連れて来て、しかもさっきは助けにも行ったんだぜ。もう、もらってもいいだろ」

当たり前だと言わんばかりのフィルに、クリスティーナはうなずいた。

「そうね。最初の約束はもう果たされたんだし。それに何度も助けてもらったのだから、星の石を渡すのは当然だわ。ちょっと待ってね」

クリスティーナは部屋に戻ってきてから、フィルから星の石の包みを受け取っていた。彼女は荷物に入れ直したその包みをもう一度取り出すと、何個かある星の石の中から、一つだけ取り出し、それをフィルの手に握らせた。

「星の石は渡したけれども、影の都まで一緒について行ってもいいかしら」

「別に構わないぜ、俺は」

フィルはぶっきらぼうに呟いたのに対して、ルイスは喜び勇んで、もちろんだよと叫んだ。こうして、長かった一日はようやく終わりを告げ、三人はベッドの中へと潜り込むと、あっという間に眠りに落ちていった。

あくる日の朝、三人は早々に身支度を整えると、宿を後にした。宿のカウンターの上にはきっちり星の石一個だけが置かれており、宿の亭主はそれを後になってから見つけると、三人が旅立ったことを知ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ