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コーネリアの手紙
お父様、お母様、お元気でしょうか。
そろそろ黄金竜討伐の噂は、届いているかとお思いです。
両親から否定された魔術師の道を、私は立派に歩くことができています。
近々、一緒に旅をしている方達と寄らせていただきます。くれぐれも邪魔はしないようにお願いします。
「……ちょっと冷たすぎるわね」
コーネリアは書きかけの手紙を丸めて、投げ捨てる。
ゴンザレスパジャマのお腹のポッケからを探って、新しい紙を取り出す。
新しい紙を広げて、ペンを取る。
【お父様、お母様、元気? 私は立派に魔術師をやっているわよ】
「……これもダメね。品性がないってぶん殴られちゃう……」
コーネリアは、手紙を魔導書の火の中に焚べる。
そして机に突っ伏して、ペンをかじる。
「やっぱり戻ったら継がされるのかしら……いやだな……シルヴァ達守ってくれるかな……」
コーネリアはローブの中から、鎖が巻かれた魔導書を取り出した。
その表紙を撫でながら、ぽつりと呟いた。
「先生……」
ゴンザレスパジャマのフードを引っ張り、顔をすっぽり覆った。
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