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103/104

Lv.101 【GAME OVER】

「ずっとずっと昔、俺はお前と同じくこの世界を生きた。お前と同じように生きて、冒険して、負けて、死にかけて、それでも勝ってきた」


そう言って、首領は耳に開いた穴を見せてきた。俺と同じ位置についている。


「だが、勝てなかった相手がいた。黄金卿だ。お前と同じでな」

「……」

「俺も心臓を潰された。だが、その時、首領に助けられた」


首領は胸の位置の布を取り払い、心臓部の傷跡を見せてきた。中から食い破られたような傷跡が残っている。

俺も自分の胸元を摩る。きっと、同じ傷跡が今の俺にもついているのだろう。


「それで首領に抱えられ……」


首領の言葉が詰まる。自分の胸元を指していた首領の指が、悪夢(ナイトメア)となって海に落ちた。


「どうやら時間が迫っているようだ」

「どういうことだ?」

「この仮面は認識阻害の仮面だ。同じ世界に二人同じ人間がいると、どちらかが消える。だからこの仮面で認識を崩し、消滅を防いでいたんだ」

「な、なら仮面をつけろよ!」

「無理だな。一度この仮面を外せば、もう二度とつけられない」

「なんで外したんだよ!」

「お前に全部話すためだよ!」


同じような口調で、同じように罵り合う。

すると首領はふっと笑った。


「お前にいいものをやる」


そう言って、首領は自分の心臓を抉り出した。

いや、心臓ではない。赤い球だ。

そして首領は容赦なく、俺の心臓がある場所にそれをねじ込んだ。不思議と痛みはない。


「な、なんだよ今の」

「結界魔法で出来たプロテクターだ、これがあればお前のレベルは勝ってに上がり続ける。お前はこれを参考にして魔術を、魔法を研究しろ。そしてレベルを上げ、【夢、打ち砕きし者(ドリームパニッシャー)】を完成させろ」

「は……? 何言って」

「じゃあな!」


首領はそう切り上げると、俺を手放した。


俺は海にできた大渦に向かって落下していく。



「あっちに行ったら案内人を探せ! お前もよく知ってるやつだぜぇ!」


海面に叩きつけられる瞬間、首領の声が聞こえた。

【CONTINUE?】

{YES} {NO}

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