第36話
「いやいや、勝手にこの場から逃げ出そうなんて、よくありませんね。
あなたは大事な観戦者なのですからこの場にいてもらわないと困りますよ。
そこで大人しくしていて下さいね。あなたと遊ぶのはお楽しみの後ですよ」
イブリースの言葉の後に
ベリアルは俺の顔を見ながら「大丈夫」と一言だけいうと能力を発動させた。
「クロノス・カイロス・虚空」
ベリアルは両手で特定の空間を操りルシファーを別の空間を移動させた。
さらに一瞬で時空の歪みを作り出しイブリースの手足を拘束した。
「イブリースよ、これは一体どういうことだ?反逆と捉えてもおかしくないことだが?」
ベリアルの質問に対しイブリースの答えは意外なものだった
「んふふ、あなたの能力は全く読めませんね。ですが・・・あなたは優しすぎるのですよ。
あなたが本気でやり合えばこんなものではないのですがね。んふふ」
イブリースがそう答えるとベリアルの背中に何かが突き刺さった・・・
じっとりと流れてくる生暖かい感触・・・
「これは一体・・・貴様・・・」
ベリアルはイブリースの能力で作られた血液の針で刺されたのだ。
「こんな初歩的な攻撃を見落とすなんて、おかしいですね?まだわかりませんか?
私はあなたを殺そうとしているのですよ
本気でやっていただかないと困りますね。せっかくの機会なんですから楽しませて下さいよ、んふふ」
イブリースの言葉に反応したベリアルはゆっくり立ち上がった。
「そうだな、お前がその気なのであれば私も誠意を見せなければな。」
ベリアルがそう言うと体の周りの時空が歪みだし背後からファントムシャドーが現れた。
「ベリアル様・・・力を戻されるのですね」
ファントムシャドーは優しく語りかける。
「あぁ、この力は必要ないと思い手放したが本気にならなければならないみたいだ。」
「わかりました。ではこの力はお返しいたします。」
ファントムシャドーは体内から黒炎の魂を取り出し黒炎はベリアルの体内へ吸収された。
黒炎を体内へ取り込んだベリアルの体は紋様が浮き出てきた。
その紋様は大罪の刻印、そして【反逆者】の紋様だ。
普段のベリアルは力を分散させていたので四天王になると浮き出るはずの紋様が出ていなかったが
力を取り戻した事により刻印・紋様が浮かび出た。
「んふふ、やっと本気になりましたか。その雰囲気久々ですね。」
イブリースはその姿を見て興奮状態となった。
ベリアルの雰囲気はさっきまでとは違い身体中から溢れ出ていた。
「イブリースよ、私は本気で行くぞ、お前と遊んでいる時間はそんなにないのでな。」
ベリアルは手を挙げ能力を発動させた。
「クロノス・カイロス・時空断裂」
能力を発動すると拘束されていたイブリースの体の手足は切断され胴体が地面へと落ちた。
「どうした?貴様の力はそんなものか?このまま消滅させてもいいのだが
聞きたいことが色々ある。話てもらおうか」
ベリアルはそう言いながらイブリースに近寄っていくと
イブリースは不気味な顔をしながら笑い出した。
「んふふ、あはははは、楽しいですね。この痛み興奮しますよ、やはり私の愛した人だ。
たまりませんよ。もっとです。もっと楽しませて下さいよ。」
イブリースは危機感を持つどころか手足を切断されながらもこの戦いを楽しんでいた。
そしてイブリースがデスサイズを発動させると体から血液が吹き出しカラスが現れた。
現れたカラスは赤い目を鋭く光らせギロッと睨みを利かせ見るからに不気味な雰囲気を漂わせている
カラスの中にストックされていた血液が溢れ出し、イブリースの手足は血液により再生された。
イブリースが力を使うとイブリースから受けたベリアルの傷が反応した。




