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閑話 シャドー達 1

今日からは5人のシャドー視点で話を書いていきます。

お付き合い頂ければ幸いです(*^_^*)

 ルイとゼロはお弁当屋として働き始め、ある程度の仕事を覚えてくると本来の目的であるシャドーの活動を再開した。


「ねぇ、ルイ。本当にこんなところに何かあるの?」

「わかんねぇよ。でも手掛かりになりそうなところは全部調べる必要があるだろ」


 二人は地球防衛軍基地へと忍びこんでいた。

厳重な警備がされているかと思えば案外すんなりと潜入することができた。


「でも、全然警備厳しくないよ……」

「それはお前……あれだ……そうだ。潜入されるなんて考えてないんだろ」

「絶対今思いつきだよね。まぁいいかど。でも確かに潜入されるなんて思ってないのかも……」


 ゼロはルイの言葉があながち間違っていないかもと思えた。

どんどんと奥に入って行っても人もあまりおらず、警備も監視カメラが数台あるだけだ。


「こんなところにロボットとかあるの?」

「シー、黙ってろよ。どこかに地下に降りる階段とかあってロボットをしまう隠し工業とかあるんだって」


 ルイの言葉はまたも間違ってはいないのだが、ロボットが保管されているのは地球防衛軍基地ではない。


「あったぞ。階段だ」


 ルイは警戒を忘れずに階段を下って行く。

ゼロもルイの後ろを護るように背後に警戒をしながら階段を下りていく。

 階段を下りた先にはルイが想像していたような広い収納庫はなく。広い運動所があるだけだった。


「なんだここ?」


 ルイは警戒を怠った。

声を上げて驚きを言葉にした。


「誰?」


 そこには赤いゴスロリ服を着た少女が立っていた。


「なっ!いつの間に」

「あなた達知らない顔ね」


 赤いドレスの少女はルイの背後に立っていた。


「うわっ!お前こそなんだよ」

「私?私を知らないの?ふふふ。あなたたち面白いわね」

「あなたは偉い人?」

「偉くはないと思うけど、この基地の中で私を知らない人はいないと思っていたから新鮮よ」

「ごめんなさい。まだ来たばかりで」

「新入りさん?そう、ならここに迷い込んでも仕方ないわね」


 ゴスロリ少女は楽しそうに笑っているのがルイには恐く。

ゼロには通じるものがあったのか、一緒に笑い出した。


「あら、あなたいい感性を持っているのね」

「そう?みんなには天然と言われる」

「そんなことないわ。ねぇ名前はなんていうの?」

「ゼロ……」

「ゼロちゃんね。私は赤根アカネ 瑠華ルカよ。よろしくお友達になりましょう」

「うん」


 ゼロが女性であることを瞬時で見抜き、赤根は握手を求めた。

それに動じることなくゼロは握手を返す。


「おい。ゼロ!何やってんだよ。こんな変な奴と」

「赤根さんは変じゃない」

「あら、赤根さんなんて他人行儀よ。お友達なんだからルカでいいわ」

「なら私もゼロでいい」


 二人の少女は手を合わせて、軽く飛びあっている。


「不思議ちゃん二人で通じってやがる」


 ルイもここまで来てしまえば、ここが外れかもしれないという考えに至っていた。

そのため早く逃げたいと思っていた。


「おい、そこで何をしているんだ?」


 新たな声がして、ルイはどうしたものかと考えていると、遠目にもそれは知人に似ている人物だった。

ルイの視力は常人よりも優れいている。

 そのため、遠く離れていてもその人物が誰であるか確認できた。


「なっ!遼さん!」


 ルイは向こうからやってくる人物が緑野 遼だと認識して、どうやって逃げ出そうか考えていた。


「なぁあんた。俺達とあったことはこの三人だけの秘密にしてくれないか。ここに来たって知られたら俺達怒られるだろうし」


 ルイの申し出に赤根は頷いた。


「ありがとう。恩に着る。それと向こうからやってくる人を足止めしてほしい。俺達はもう行くから」

「わかった。ゼロちゃん。また来て」

「うん。また来る」


 二人は最後の抱擁をするように抱き合った。


「ゼロ!早く」


 ルイはゼロの手を引くように階段を駆け上がった。


「あっ!ちょっと待て」


 ルイが追いかけようとした瞬間、警報が地球防衛軍基地に鳴り響く。


「ちっ!出動だ。赤根今の奴らは誰だ?」

「さぁ?妖精さんじゃないですか」

「くそっ!いくぞ」

「ええ」


 赤根は見えなくなった背中に手を振る。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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