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間話、戦隊ヒーローの代替わり2

今日は短めです!(^^)!

 一人残った緑川は、若き戦隊ヒーロー達に会うために指令室から訓練室へと移動する。

若きヒーロー達はすでに訓練に入っているのだ。

 緑川はドアを叩く。


「緑川だ。訓練中に失礼する」


 すでに何度か、緑川だけは若者たちに顔を合わせているのだ。

緑川は自衛官をしているのだ。そのため地球防衛軍の仕事を優先したいと申し出れば融通が利くのだ。


「あっ!教官。いらしていたんですね」


 出迎えてくれたのは、白井シライ 和音カズネだ。

彼女は戦隊ホワイトになる予定だ。


「ああ。訓練の方は順調か?」


 緑川は白井の頭を撫でながら、他のメンバーにも視線を向ける。


「はい。緑川さんに教えられた訓練を続けています」


 返事を返したのは、素直に訓練を行っている緑野だ。


「緑野か、次のリーダーはお前だ。皆の事は頼むぞ」


 緑野ミドリノ リョウは苦学生を終えて、現在は様々な仕事を行っている。

ヒーローとしての活動も彼の本職に役立つを引き受けてくれたのだ。


「はい。任せてください。俺が一番年上ですからね頑張らないと」


 緑川は今年24になる。

対して、緑野は20歳でここにいるメンバーでは一番歳が上なのだ。


「おう。他のメンバーも調子はどうだ?」


 緑川は他のメンバーに視線を向ける。

それぞれに一癖も二癖もあるメンバーが集まっているが、これからの戦隊を託すに足る資質を持っていると緑川は思っていた。


「あんたにそんなこと心配される筋合いはないだろう」


 髪を金色に染めた。浅黄アサギ太一タイチが緑川に悪態を吐く。


「相変わらず太一は元気がいいな」

「うるせぇよ」


 緑川は浅黄の言葉にも全く動じることなく笑い飛ばす。


「ガハハハ。青田はどうした?」

「アイツはいつものところですよ」

「またか……アイツも仕方ない奴だな」


 緑川は重力装置が設置されている特別訓練室へと足を向ける。

青田はプロボクサーであり、必要以上の訓練に明け暮れている。


「青田。いい加減にしておけよ」


 特別室は極端に空気の薄い環境を作り、さらに重力を重くすることで体への負荷を増やしているのだ。


「緑川さんですか。まだまだ足りない。俺はチャンピオンになりたいんだ。そのためにはここの訓練施設が有効だと思ったからヒーローになった。邪魔される筋合いはないと思いますが」

「まぁそういきりたつなよ」


 緑川は、この青田というクールガイが嫌いじゃない。

ストイックに強さを求めるのは悪いことじゃない。


「ちょっと話があるから付き合え」


 緑川は全員を訓練室に集めて話を始める。


「ここに集まってもらったのは、他でもない。お前達の実践導入が決まった」


 緑川の言葉に嬉々として喜びを見せる者。

めんどくさそうにする者、不安そうにしているものなど様々だが。

その瞳にはそれぞれの決意が込められている。


「お前達はここ数カ月しっかりと訓練してきた。怪人どもと戦っても負けることはないだろう」

「当たり前だ」


 浅黄がドヤ顔で緑川に応える。


「お前達四人に加えて、もう一人の赤根アカネ 瑠華ルカを加えた五人で戦ってもらうつもりだから頑張ってくれ」


 緑川は彼らに心構えや、これからの実践に向けて訓練の強化を行った。

ここにいない赤根は少し問題があり、訓練に参加していない。

 それでも彼女が赤いスーツを着ることは決まっている。


「アイツは俺でもわからんからな」


 訓練所を出た緑川は赤根のことを思って頭を掻く。


「とにかくこれで引き継ぎは終わりだ」


 緑川は感慨深い思いを込めて、地球防衛軍の基地を後にする。

彼も五年間を様々な思いで過ごしてきたのだ。

 この場所に来るのもあと少しだと思うと様々思いが溢れてくる。


「今までありがとうございました」


 緑川は地球防衛軍の基地に頭を下げて、その場を去った。



いつも読んで頂きありがとうございます。

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