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Heart Birth  作者: shido_amon
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第一話:二人の朝

思い付くままに書き出してしまいました;

始めたからにはちゃんと結末までもっていきたいと思いますので、感想やご指摘等ございましたらコメントを寄せて頂ければ幸いです。

科学が今より飛躍的に進歩した世界―――

そこでは人の感情さえも小さな試験管の中で育まれていた。


やがて人々は、作り上げた感情をクローン実験の過程で生まれた子供達へと組み込んで、熟成させた。

―――『感情器』(スペアハート)

そう呼ばれる子供達は、生まれつき感情を有してはいない。(正確には現在この世界に生まれる子供達は皆、感情を持って生まれる事は無い)

だから人々は、我が子に理想の感情を与えるべく、スペアハートの中で育った感情を移していった。

『喜・怒・哀・楽』大きく4つに分けられたそれらの感情を、思い思いに我が子へと与えていく。

そこに家庭環境などは存在せず、子供達はただスペアハートから与えられた感情のみを、自らの感情として生きていくのである。


そんな世の中で、17歳の誕生日を迎えた少女には、未だ感情は宿っていなかった・・・










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


『・・・おはよう』

少女、雅 飛鳥(みやびあすか)は抑揚の無い声で呟いた。


その声に反応して、爽やかそうな印象の強い少年が振り返る。


『おはよう、飛鳥!

 今日もいい天気だね!!』


『天気予報でも今日は晴れると言っていたからね。

 でもそれがそんなに嬉しい事なのかしら?』


にこやかな笑顔で返す少年に向けて、飛鳥は相変わらず抑揚の無い声で問い掛ける。


―――現代の天気予報は的中率100%であり、それはもはや『予報』と言うよりは決定事項の『伝達』とも言える―――


『あははっ、確かに予報通りの快晴だね。

 でも僕は予報が当たった事じゃなくて、今日もこうして青空を見る事が出来たのが嬉しいんだ』


なおも嬉しそうな声を上げる少年に、分からないとばかりに少女は肩を上げて見せた。


『まぁ、雨に降られるよりは晴れていてくれた方が困らないわね。

 どちらにしても、空の色なんて青だろうと黒だろうと大して変わりは無いわよ。

 ―――それより、スー、朝食の支度は済んでいるの?』


この話はお終いとばかりに興味無さげに言い放ちながら、飛鳥はスーと呼ばれる少年に目をやる。


感情が有ろうが無かろうが、そこは人の身体、ましてや17歳という育ち盛りである、当然栄養を摂らねば一日の生活を過ごす事は出来ない。


『あぁ、うん。そうだね・・・。

 朝食ならもう出来てるよ、今運ぶからテーブルで待っててもらって良いかな?』


スーは飛鳥の素っ気無い態度(態度云々ではなく実際に何も感じてはいないのだが)に少し表情を暗くしながらも、気を取り直して明るく告げる。


『分かったわ』


短く一言告げると飛鳥は居間へと進んで行った。


スーと飛鳥は15歳の頃、飛鳥が高校(現代では高校も義務教育になっている)に入学した直後から二人で生活している。


飛鳥の両親が事故で他界し、親戚のいない飛鳥は施設に入ることはせずに、この暮らしを選んだ。

生活するのに必要なお金や学費等は、両親の遺産と国からの援助で十分に賄えたし、高校を卒業すれば進学はせずに働くつもりでいたのでそれで問題は無いとの判断だ。

家事全般も飛鳥とスーの二人でこなせるのでホームヘルパーなどに頼ることも無い。

正直飛鳥としては高校自体義務教育とはいえ真面目に通うつもりなど無かったのだが


―――『学校に行って友達と話したり、色々な事を学ぶのは大切だし、それにきっと楽しいよ!

    だからちゃんと通おうよ!!』―――


なとどスーがしつこく諭した結果、こうして今でも通い続けている。

もちろん、諭したといっても飛鳥としてはスーがそう言って譲らない以上は仕方がないか程度にしか考えていない。


学校に行かなくても、際限なく進み続けた情報化社会のこのご時世、大抵の事は独学でどうにかなるものだ。

それに何より、学校に行って友達と話をする事が楽しい(・ ・ ・)などとは、自分は間違っても感じないだろう。


これは決して飛鳥に友達が居ないとか、話していてもつまらないとか、そういった問題ではない。

ただ彼女がそういった感情を抱く事が無いと言うだけの事だ。


それでもそんな事をスーに説明したところで、返ってくる言葉は想像がつくため、飛鳥は高校に通う事を選んだのである。


その後、飛鳥の待つテーブルにスーが朝食を並べ、向かい合って座り揃って手を合わせ『いただきます』と告げて、終始笑顔で語りかけてくるスーに飛鳥が一言二言返すといった感じの、二人のいつもの食事の風景が繰り広げられた。


『じゃあ、そろそろ時間だし出ましょうか。』


食事と後片付けを終えて、登校の準備を済ませた飛鳥がスーに声を掛ける。


『うん!

 じゃあ今日も一日、楽しく過ごそうね!!』

スーがそう言って二人並んで玄関を潜る。

これももまた毎日の事ではあるのだが、飛鳥はやはり思わずにいられないのである。


『今日も』と言っても、自分はそんな風に感じた事は一度だって無いのにと。

つ・・・疲れた・・・orz

物語を書くのってかなり体力を使うんだと実感しました;


へこたれながらも頑張ります!

願わくば読んでくれている方がいれば良いなと思います^^

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