-陣内2-
-陣内2-
――しまった!
私はあせった。まさかこんなアイデアを出されるとは思ってなかった。
しかたがないので数が多そうなヤツ「映画」と答えてみたが、さすがにばれてしまったか。
「ねぇ、どう? どっちが正解!?」愛がニコニコしながら圭一に聞いている。
「え、あぁ、うん。」どうも圭一のリアクションが悪い。
「圭ちゃん音楽好きでしょ? 90年代の邦楽が最高だーっていつもよく言ってたじゃん!」
「いや、確かに最近のより90年代のほうが好きだけど……」
何か2人のやり取りがおかしい。コレはまだチャンス!?
「あれ? 映画が好きなんじゃないのかしら?」私は白々しく聞いた。
「私たち付き合いだしたばかりだから、まだあまり出かけてないけど映画館には行ったわよね。てっきり映画が好きなのかと思ったんだけど。」
「あぁ、映画館デートか。確かに行ったかもしれないけど……」コレにもリアクションが悪い。
「どっちが正解なの?」待ちきれない様子で愛が聞く。
「ぶっちゃけどっちも微妙だ。どっちも嫌いでもないけど趣味というほどでもない。俺の趣味ってスポーツ観戦だし。」
よし、まだ試合は終わってない(笑)