表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

-藤堂1-

この小説は語り手が3人です。

サブタイトルの名前の人物が語り手になっています。

藤堂→藤堂圭一

陣内→陣内蘭子

武田→武田愛

それぞれの目線で語られています。

-藤堂1-


「無人島なう」

と、打ったところで圏外だからどこにも送信できないのだが。


透き通った海。白く輝く砂浜。南国気分を盛り上げる森林。

そしてそこに漂流してきた俺。


いやいや、とりあえず落ち着け。現状を確認しよう。

①俺は夏休みを利用して南の島ツアーに出かけた。

②船で本島から離島へ行くプランの最中に転覆して現在に至る。


幸い記憶はしっかりしている。小説定番の「記憶障害」じゃなくてよかった。

俺は藤堂圭一 25歳 大学を出てごく普通の会社に勤める3年目

よし、大丈夫だ。


しかし、あのくらいの風で転覆する船はどうかと思うぞ? 確かに強風ではあったけど、お世辞にも「大嵐」とはいえない強さだ。まぁ格安のツアーだから仕方ないといえば仕方ないのだけど。ケチらないでもっといいツアーをとればよかった。


さて、勢いで「無人島」といったけど、正直無人島である可能性は低いと思う。

周りに人がいる気配がないので思わずつぶやいたがツアーの人が一緒にいるかもしれないし、この辺一帯が観光メインの島だから現地の人だっているはずだ。

携帯は圏外だが――水没しなかっただけましか。最近の防水機能はすごいな――どこかで人に会えれば、観光客が迷い込んだとわかってくれるだろう。

会話には苦労しそうだが、まぁしょうがない。


浜辺でそんなことを思っていると、少し離れた繁みに人がいるのを発見した。

「お! ツアーの人か?」うれしさのあまり独り言をつぶやきながら俺はその人影に向かって走り出した。


近づくとはっきりしてきた。間違いなく人だ。それも日本人っぽい若い女の子だ。

といっても俺と同い年くらいだろうか。ここでかっこいいところを見せておけばポイントアップ間違いなし。

「お姉さん、僕がいるからもう心配は要りませんよ。」なーんて言ったら「あら! 圭一さんステキ!」なんて展開になるかもしれないな。と妄想しつつ声が聞こえるくらいまで近づいた。


「大丈夫ですか? ツアーに参加していた人ですよね?」俺は女性に話しかけた。

ところが帰ってきた返答は意外なものだった。

「あぁ、圭一も無事だったのね。」


――あれ? こいつ俺のことを知っている!?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ