第一章2 『遭遇』
何何何何何?!....もうほんとに訳わかんない....
さっきの体験....ほんとに現実?....
でもこれが明晰夢なんて感覚はないし、夢にしては全てが現実的....でもでも...何なの?...
この一日が17年間における唯一のイレギュラーとなった事にただ困惑し、懐疑する。この世界における人知を超えた存在を目の当たりにした事に彼女はこの先起こされる運命を心配した。
この不可解な現象が自信にのみ認識できるものなのか、他にも事例があるのか、益々考え事が重ね重ねに現れる。
―これって....『準備』がはじまったの?.....
いきなり場面変わる
いきなり移動する
だめだ、調べてもそれっぽい記事だとかサイトが出てこない.....私どうしちゃったの....
あの体験の正体がどうしても知りたかった。ネットの大海原にその体験のことを調べても何一つ情報が得られない。不安と共に彼女は信じられない仮定を目につける。
あの体験が世界史上初一人の平凡な女の子に巻き起こされたコトとであると。でもなぜ?私にあんな出来事が起こったの?神様が哀れんで平凡な女の子にだけ特別な能力を授けたの?まさか。神様にまで哀れられるなんて惨めがすぎる。何だか腹立たしい。科学だとか魔術だとか魔法だとか、そんな類のものじゃ一切納得がいかない。唐突すぎるんだ。でもここ当たりは.....思いつかない....。
数秒前、数分前、数時間....今日一日を細分化して、心当たりの他所らしき場面を記憶のページを辿っていく。あの父から放たれた『準備』の話?でもでもただ会話してただけなのにそんなコトに巻き込まれるなんて....仮にそれが原因だとしたら原理がイミフ。
あの会話のどこかでアレを起因させる呪文だとかがあったの?
―もうほんといやほんといやほんとイヤ!
だめだどうしても無意識下に考えてしまう。一旦ゼロベース思考で考えてみる....?いやでも、考えたくないのに考えてしまう....。あぁもう人間って生き物はなんてめんどくさいの?!さっきの事を振り返ってみる。原因はいったい置いといて。何かをしようとしたらいきなりその態勢に入っていた。覚えてる範囲でいうと....寝ようかななんて思考を巡らせたらいきなり目が覚めたような感覚になった。部屋に行こうなんて思考も巡らせたら歩いたなんて実感もなく部屋のドアの前にいた。これ、明らかに現実世界で起こっていい事じゃないよね。でも夢なんかじゃ説明がほんとにつかないし、私の今有する知識や認識だけじゃ何にも言い表せない。終いには今こうして寝ようって思考をしたらドアを開けてベットの前まで歩いて腰掛けてなんていう過程をすっぽかして既に寝る態勢に入ってた。
―これ解決方法とかないのかな....
平凡だと感じていた日々が突然にイレギュラーに襲われる体験を彼女は特に何とも思わなかった。むしろ迷惑だとか鬱陶しいという様な認識に近しい。世間一般的な理論だとか人知だとかでは解決できない事柄に人間が遭遇すると心理的逃避をみせる。常識から外れた現実的ではないモノを目の当たりにするからこそ見せる反応なのかもしれない。だって人知超えてるしこれ。もう考えたくない。寝たい寝たい寝たい....目覚めたい...め...___あれ....何だか無から眠気が......何で...眠くなんてなかっ....だ....の..に.....
ある思考を巡らせて瞼が唐突にイカリを落とす様にずっしりと重たくなった。彼女はそんなことを考えるより前に瞼に下ろされて眠りについた。その寝顔はいつもより少し眉が垂れ下がっている。考えすぎた彼女にとって突然の眠気は確実な安眠を約束していた。
――――――――
んーと、何だか久々に朝が気持ちいいような気がする...朝起きが心地いいと感じるなんて赤子以来かな....
でもそん時より断トツで心地よかった。
次に目を覚まして脳を起動させると第一考にそれが出てきた。それほどによい睡眠経験であることを物語ってる。
「はぁ、何だか不思議だけどイラつく。」
寝つく直接にできなかった思考を再びしても原因は容易に理解できた、昨日突然に起きたアレがそうさせたことを。寝ること自体は好印象ではあるけど、起きた時の朝がほんとにキライだった。目を開けても半端に眠気があってまた寝ちゃうし、寒い時期とかだと布団から出たくないもの。それと単純に朝がキライってのもある。けどこの起床、生まれたとき以来に心地いいなってなった。でも体起こすのは変わらずダルいかも。朝がキライと言うことには変わりない。彼女が次に行動を起こそうとすると既に完成されている。彼女が顔を洗って歯を磨こうとすると既に洗面台の鏡に彼女が映っていた。
「やっぱまだあぁるよぉねぇ〜これぇ....」
残る眠気に呂律を取れらながらそう呟き、まだ残る謎を相手どる。次に歯ブラシを取ろうとすると既に手に握ってあるし、次に歯磨き粉を塗ろうとしても既に握るブラシにまた既に薄い赤みがかる歯磨き粉が乗せられていた。何かをしようとすればそれに向けた『準備』が既に完成される。彼女はその規則性に微塵ながらも気づきの尾を掴んでいた。現実的じゃない現象を理解しようとするのも人間の好奇心。彼女はそのイレギュラーな好奇心を僅かに抱いた。昨日の体験から。
「おはよう、すみれ。今日は珍しく目覚めがいいように見えるね。」
寝室から父がスリッパを擦らせた様な足音を立てながら朝の挨拶をかける。柔らかい左腕の義手を巧みに操作しながら歯磨きに取り掛かった。
「あぁ、うん..おは.よ.」
「昨日はとても疲れてたみたいだし、いい目覚めができてそうでよかった。うたた寝なんてしてなかったのにしてたかなんて訊いてきたもんだから心配した。」
歯磨きを終えて寝巻きを畳みながらそう放った父はリビングへと姿を消した。昨日から始まったアレのことを話すか刹那に迷った。あまりにもおかしすぎるものだから話しても無駄だとその迷いを一蹴した。と言ってこれを一人で抱え込むのもどこかモヤる。解決方法があるのかとか他にも同じ経験をしている人が現在進行形で存在するのかとかを朧げな目でまた考える一日に備えた。学校へ通うための制服を着ようとするも目を開けば横のランドリーバスケットにご丁寧に畳まれていた。
「勝手にそうなるってことでいいのかな。」
少しづつ法則性を結びつけて認識を築き上げる。自身が巡らせる何かをするという思考から事象がそれに向けた『準備』を完了させる。不確かであるものの彼女は飲み込もうとしていた。このよく分からない事柄に昨日のまとわりつく迷いを捨てて飲み込むことを受け入れた。立てた仮説から朝食を食べようと巡らせてみる。次に瞬きをすると食卓へと移動していた。勿論、歩いて移動したという実感もなく、ただテレポートでもしたかのようにそこに存在がうつっていた。
―これは.....もしかしなくても、そうなのかも。
疑問から少しづつ紐解き確信に僅かに近づいた。これは私自身が保有する私特有の現象....依然としておかしくて疑うけど間違いなく私の思考が起因となってる。
でも何でこんなことが私に起きちゃったんだろう。これ意義ってのは、いや意義というか意味だとか定義だとかは存在するのかな。それか私が初で昨日初めてできた概念だったりするのかななんて様々な考え方を交えて考察を重ねた。平凡な女の子はそんなものを探求する『準備』が完成していた。




