始まりの謎 2
シルバーパインは北部の静かな町。町を横断する川が流れ、豊かな自然が町を覆う。
「すみません、シルバーパインという町に行きたいのですが、ここからどのくらいかかるか分かりますか?」
グレイは質問して回っていたが、皆が口を揃えていう、「そんな町は聞いたことがない」と。
(「シルバーパインを知らないのか?でも一人ぐらいは知っていてもおかしくない…」)
グレイが悩んでいると、かなり歳をいった老人が話しかけてきた。
「どうしたんだね?そこの若いの。」
「いやぁ…かなり大きな悩みがありましてね…」
「そうか…わしもあんたぐらいの時大きな悩みがあった…どれ、悩みを聞いてやろう。もしかしたら解決策を探せる手掛かりになるかもしれん。」
「いやいやそんな…大丈夫ですよ。」
「わしなら悩みを解決できるほどの占い力を持っておる。大丈夫じゃ。安心せえ。」
「いやいや…」
「大丈夫じゃ。」
「そんなそんな…」
「安心せえ。」
(「この爺さんしつこいぞ!」)
「時間も急いでるんでもう行きますね、ありがとうございました。」
「ちょっとまて!」
「じゃ、そーいうことで。」
「待つんじゃレオン!」
「!?」
グレイの身体に衝撃が走り、100mで0.43秒を叩き出した。グレイは考える。
「もしかして…あなたがノアですか…!?」
「いいや、違うよ。」
(「なんだ、聞き間違いか?」)
「すみません、急に突っかかってしまって。」
「いいんじゃよ。わしはお前だからな。」
さっきのは聞き間違いではないと確信した。だが、この爺さんがグレイということなのか?それともレオンのことなのか?どう考えても理解に繋がる道は闇に呑まれている。そもそも道があるのか分からないほどこの爺さんは謎だ。
「お爺さん、ボケているんじゃないですか?あなたは私ではありませんよ。」
「いいや、あんたは間違ってる。あんたはそれだけを理解していれば良い。」
(「もしかしてこの爺さん、本当にボケているのか?」)
「わしも付いて行くよ。あんた、シルバーパインを目指しているんだろう。」
「シルバーパインを知っているんです!?…しかし、ここからかなり遠いですよ。身体が持たないと思います。」
お爺さんは自分の話を無視して地図を奪った。どうやら本気で行く気らしい。
「別に付いて来ても良いんですが、僕はおんぶとかできないですからね!」
まだ無視。グレイも無視して進む。
出発一日目の夜が来る。ちょうどグレイ達は宿に泊まることが出来た。
(「一日目でかなり重要な人と出会うことができた。僕の過去を知っているのだろうか?ノアのことは知らなそうだったが、もしかしたら仲間などの可能性もあると考えておこう。」)
「金を出してくれてありがとうな。若者よ。」
「いえいえ。大丈夫ですよ。」
「そういえば名を名乗ってなかったな。わしの名前は『レオン』じゃ。」
(「やっぱりこの人はレオンだ。だとすると、あれは言い間違いかもしれない。」)
「僕は『グレイ』と言います。これからよろしくお願いします。」
「よろしくな。」
グレイは明日歩く道の予定を考えていた。なるべく早く着きたいため、近道を探していた。
「明日中に爺さんが山を越えて行けるか?まぁ付いて来たんだから責任は爺さんに取ってもらおう。今日はもう寝て明日朝早くにここを出よう。」
【出発一日目、五分の一を完了】
二日目の太陽が登ってくる。朝にトーストとサラダを食べ、宿で水や軽食を買って出発する。




