表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

第4話:魔法の連鎖理論

アルスが語る『魔法の連鎖理論』は、ステラにとって、まるで新しい世界の扉を開く鍵のようだった。魔法は、個々の力を競うものではなく、知識と想像力によって無限に広がる可能性を秘めている――アルスはそう力説した。


「君の『ホコリを払う魔法』と、僕が考案した『小さな風を起こす魔法』。この二つを組み合わせれば、ゴーレムの目を眩ますための砂嵐を生み出せる。風の魔法がホコリを巻き上げ、それを払う魔法がさらに勢いを増す。これだけで、ゴーレムの視界はゼロになる」


アルスの言葉に、ステラは目を見開いた。彼女の持つ魔法は、どれもこれも無力で、まるで役立たずだと思っていた。だが、アルスの理論に当てはめてみると、それらはまるで、大きな絵を描くための小さな絵筆のように思えた。


「それに、僕が調べた限りでは、このゴーレムの魔力核は、高熱に弱いんだ。君の『コップの水を温める魔法』を一点に集中させれば……」


アルスは、興奮した様子で図書館の床に数式を書き始めた。彼の言葉は、魔法の複雑な理論を、まるでシンプルな算数のように解き明かしていく。魔法を使えないアルスが、なぜこれほどまでに魔法に詳しいのか、ステラには理解できなかった。だが、彼の瞳に宿る真剣な光は、彼女の心の壁を溶かしていくには十分だった。


「信じてみるわ、あなたの理論を」


ステラは、アルスの研究を助け、彼の魔法の連鎖理論を理解しようと努めた。彼女の筆記試験で培った膨大な知識が、アルスの理論を補強し、二人の間に確かな信頼関係が生まれ始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ