1・げーむおーばー
適当に小説書いてみます。小説を書くのはこれが初めてで、慣れてないので、所々下手な表現があるかもしれませんが、温かい言葉でアドバイスくれると、作者、喜びます。
心地よい風が髪を揺らし、幾多の星と月明かりが夜の街を照らす。
こんな日は大人しく高台にでも登って、星と夜景を眺めながら、物想いに耽っていた方が、きっと良かったんだろうなー。
そんな現実逃避じみた、諦めにも似た思考を巡らせながら、私は視線を下に戻す。
なんで真ん中じゃ無いのかって?それはねー、私が今、こわーいお兄さんたちに羽交い締めにされて、集団リンチの真っ只中にあるからだよー。
大人に男の人って背が高いんだねー、足がぷらぷらして、地面に付かないやー。
「ようやくだ、ようやく捕まえてやった… 。お前一人に、俺らのグループがどれだけ手を焼かされたか…」
「全ての扉を接着剤で固めて、窓から花火を投げ込むとか、ありえねぇだろ!一線越えてるんだよこのメスガキがっ!」
そう、私はやり過ぎたのだ。己の好奇心に抗えなかった。コワイお兄さん達が、面白そうなオモチャに見えてしまい、ついやっちゃったのだ。
で、今こうなっちゃってる。
「いやー、めっちゃ最高だったよー!あんな楽しかったの久しぶりだっtぶぇっ」
やめてーお顔ぶたないでー、私のキュートなほっぺがぷっくり腫れちゃうよー。
歯と拳骨に挟まれた頬の皮膚と、内側の肉が同時に抉れ、鉄の味が舌に馴染んでいくのを感じつつも、呑気に顔の心配をしながら、今後のことを考えることにする。
「ハハ… 気狂いが… 。お前のような得体の知れないガキを、殴る程度で許すと思うか… ?」
んーこれはちょっとマズい流れだね。
ぶっちゃけ私、ここから生きて帰れるんだろうか。んーまぁ正直無理じゃね?と思ってる。
だって私、この半グレグループの大半を病院送りにしちゃったから。
鼓膜が破れた人や、火傷した人、錯乱して自傷した人とか、色々かな。まぁー予想通りって感じ?
さっさと逃げれば良かったものを、どんな予後を送ってるのかを見たくなっちゃって、こそっと近づいたんだけど、下手こいて捕まっちゃったー。
しばらく水だけ生活でお腹ぺこぺこだったから、身体が鈍っちゃってたかも、てへへ。
私は痛みに関してはそこそこ慣れているので、殴打や刃物による軽い傷は何ともないのだが、刃渡り50cmはあるかというマチェーテが、私のやわこいお腹に今か今かと突き立てられようとしているこの状況においては、流石に異を唱えたくもなる。
「え、それほんとにぶっ刺しちゃうの? え、やだやだこわいよーゆるしtぶぇっっ」
いたーい、とか言うレベルじゃ無い、痛みというか、生理的に無理な気持ち悪さが全身を駆け巡ってる、やばい吐きそうむり内臓ぐちゃぐちゃにされるのきもちわるいかんがえられないむりむりむりむr…
細く骨張った矮躯は脈動を止め、力無く垂れ下がる。腹から溢れ落ちた臓物が、男の足元ごと地面を赤く染め上げ、滴り落ちる血の音は、喧騒の幕引きを知らせるように、冷たく響く。
細く骨張った少女の矮躯は脈動を止め、力無く垂れ下がる。腹から溢れ落ちた臓物が、男の足元ごと地面を赤く染め上げ、滴り落ちる血の音は、喧騒の幕引きを知らせるように、冷たく響く。
「頭のおかしいガキだったが、内臓は他のヤツと変わらねぇんだな…。もっとドス黒い色でもしてるのかと思ったが。」
「おい、殺しちまって大丈夫なのか?足が付くと面倒だぞ。」
「あー… 仕方ねぇさ、あんな舐めた真似をされて、しかも微塵も悪びれないと来たもんだ… 殺っちまった方が世のため人のためって奴だ… まぁ、俺らが言えた義理じゃないがな。」
「でもよ、こんな気狂いでも殺しがバレたら、下手すりゃ一生労働刑だ。俺はこんな奴、脛でも折って野放しにした方がマシかと思ってたんだが」
「バレて捕まる気なんざねぇさ… こんなガキ一人居なくなった所でバレる時代じゃあない… よし。アジトにコイツの死体を運ぶぞ。バラして酸で溶かす。」
「ああ、いつもの方法だな。 しかしこのガキ、よく見たら可愛い顔してるじゃねぇか。気狂いじゃ無けりゃあなぁ、勿体ねぇ。」
「お前… こんなのが好みなのか? ありえねぇ… あんな目をしている奴なんざ、幾ら顔が良くても、殺っちまった方が良いんだよ… 。あぁ、あれは“あの日”を引き起こした奴と同じ目だからな… 。」
その日、少女は死んだ。
“あの日”撒かれた種は、暗がりから日光を求め芽を延ばしたが、誤って篝火に身を沈め、燃え広がり、今にも灰へと変わろうとしている。
それは、“彼女”の望む所ではない。
私は手で火を払いながら、今にも燃え移ろうとしている根と茎を掴み取り、“あの場所”に植える事にした。
“彼女”がこれを赦すかは分からないが、元々は私が始めた園芸だ。別の場所に植え替えてみるのも、面白いだろう。
さて、この鉢は少々特殊だが、どう花を咲かせるか。
いい花が咲けば、それを摘んで“彼女”への手土産にでもしよう。
“彼女”は本を読むのが好きだから、押し花にして栞にでもするのが丁度いいだろう。
-GAMEOVER-
To be Continued… ?