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最強AIの異世界転移  作者: 蓬莱
第1章 ゴブリンを救済せよ!
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第12話 ミカエル vs 茨木 & 星熊

茨木と星熊は、カルメラ様(マスター)の背中を狙っている。ワタシの役目は、カルメラ様(マスター)の背中を守ること。ここで改めて、2人のスキルを確認しておこう。



種族:鬼

ランク:SS

称号:茨木童子

極上(アルティメット)スキル:『拳聖』

     【超速思考・拳法強化・身体強化・気配察知】

極上(アルティメット)スキル:『賢王』

     【魔法創造・魔法融合・詠唱破棄・多重展開】

種族スキル:『剛力強化』・『統率(オーガ)』


種族:鬼

ランク:SS

称号:星熊童子

極上(アルティメット)スキル:『怪力』

     【怪異顕現・怪異支配】

種族スキル:『剛力強化』・『統率(オーガ)』



改めて、エグいスキル編成だと思う。それでも、ワタシは2人を倒さなければならない。カルメラ様(マスター)が、ワタシに任せると言ってくれたのだから!


「茨鬼戦法・二ノ型『茨気弾』!」


突然、茨木の戦闘スタイルが変わった。

空間魔法を発動して、拳を中心にして空気を集め、練り上げる。そして茨木が拳を振るうと、その度に拳から『気弾』が放たれ、カルメラ様(マスター)の背中に迫る!


(空気の寄せ集めといえど、人間が食らえば体がひしゃげる威力。ですがそんなもの、『蒼盾』で防げば問題ありません)


まだ慣れていないのか、カルメラ様(マスター)はどうしても敵の攻撃に剣で対処しようとする。しかし今の我々には、『蒼盾』と『絶対防壁』がある。この2つのスキルは、どちらも優秀だ。『絶対防壁』を付与した『蒼盾』は、見事に『気弾』を防いでくれた。

―――『気弾』が爆ぜると同時に生えてきた、禍々しい赤い茨も含めて。


(人間の体などの実体に触れられない変わりに、霊体や魂への干渉及び破壊を可能にする茨ですか)


しかし、どれだけ特殊な攻撃も、当てられなければ意味は無い。


「『魂滅の茨』すら防ぐとは、どうなっているんだあの盾は!?」

「変われ茨木!俺がやる!」


今度は星熊が拳の乱打を放つ。茨木が、磨きの掛かった洗練された拳なのに対し、こちらは技術も何もない、荒々しい拳。そこに魔素を纏わせて、エネルギー弾として発射しているだけなのだが、奴には『怪力』がある。先程の『蒼盾』に怪力を付与しても、ダメージをゼロにできない!


(こんのぉ、馬鹿力め!!!)


エネルギー弾が当たると同時に、『蒼盾』にヒビが入る。内心で悪態をつきながらもそれを防いでいると、『蒼盾』のヒビの隙間を縫って、雷が迫ってきた。


(くっ・・・!)


寸手のところで、さらに『蒼盾』を展開して止める。


(このまま守ってばかりではジリ貧ですね・・・攻めに転じましょう!)


*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*


ミカエルが攻めに転じようとする一方、茨木、星熊の2人は戦慄していた。特に茨木は、極めた技も、張り巡らせた策謀も封じられて、はっきり言って焦っていた。


(まさか、あの雷にも反応するなんて!)


『蒼盾』が割れた瞬間に、その隙間から雷を通す。これを実現するには、針の穴に糸を通すような繊細さと、卓越した技術が必要になる。しかもこの雷、含まれている魔素を隠蔽する術まで仕込んでいるため、『魔素感知』による感知及び防御は、初見でなくとも困難を極める。それを初見であっさり止められてしまったのだ。


(いきなりカルメラの動きがキレを増したと思ったら、カルメラは姉さんに集中し始めるし、私達は姉さんと連携できなくなるし・・・!)


しかも、カルメラはそれ以降、茨木も星熊も一切気にしていない。それどころか、見向きすらしない。普通はこれを挑発と受け取り、怒り心頭となる所だが、鬼達の中でも随一の頭脳を持つ茨木は、恐怖心を抱いていた。


(さすがにおかしい。たった1人(・・)相手に、私達がここまで押されるなんて。何か裏が?・・・もしや!)

「この野郎・・・!さっきから俺達を見向きもしねぇ。舐めてんのか!?」


星熊は既に、カルメラに対して爆発寸前になっている。それを見た茨木は、頭の中で考えを巡らせる。


(星熊のスキルは強力だけど、下手に使うと味方を巻き添えにする。本人もああ見えてそれを良くわかってるから、無意識に(・・・・)手加減している。でも、アイツに本気を出させれば、あのバカみたいに硬い盾も、粉微塵に砕ける・・・リスクは高いけど、やらせるしかない!)


「星熊!好きに暴れて!」

「っ!? だ、だがよ―――」

「心配するな。私はそんなに柔じゃない。まして頭領は、私らが心配するような人じゃない!それにこのままじゃ、私達が負ける可能性だってある。そうなったら、誰がアイツらを守るんだ!?」

「っ!!」

「既に私は覚悟を決めてる!だから、お前も覚悟を決めろ!仲間を1人巻き添えにしてでも、生き残った大勢の仲間を守り抜く覚悟を!」


すると、カルメラと真正面から戦っている酒呑も乗ってきた。


「やっちまえ星熊。コイツはここで確実に仕留める必要がある!お前の力で、この膠着してる戦況を変えるんだ!」


そう言う酒呑の全身には、(おびただ)しい数の傷がある。『超速再生』を持ってしても再生が追い付かない程に、傷を受け続けている証拠だ。酒呑の姿を見て、星熊も意を決する。


「・・・わかった!死ぬなよ、2人共!」


星熊が抑えていた力を解放した途端、その余波によって文字通り、天地が荒れ狂い始める。


「オラァ!!」


星熊が全力のエネルギー弾を放つ。本能的に危機を覚え、ミカエルは『蒼盾』を5重に展開する。しかし、たった1発のエネルギー弾によって、5つの『蒼盾』が全て粉々に砕け散った。あまりの威力に、茨木すらも余波で少々ダメージを受けている。カルメラはどうにか守り切ったものの、ミカエルは混乱する。


(あれでまだ、全力を出していなかった!? 『蒼盾』が全部破壊されるなんて・・・!しかし、問題ありません。丁度攻めに転じるタイミングでしたし!)


さすがと言うべきか、ミカエルはすぐに立ち直り、今度は『蒼剣』を大量に生成して、『赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)』・『絶対切断』を付与していく。


〔『赫竜牙突ドラゴナイト・ストライク』!〕


100を越える『蒼剣』による突撃乱舞。大国の軍隊ですら一瞬で滅ぼせる剣の雨・・・否、竜の息吹の雨だ。だが―――


「効かねーなぁ!!」

〔っ!!?〕


星熊は降り注ぐ『蒼剣』を、魔素と『怪力』を纏った拳で破壊しながらカルメラの元へと迫る。そこへ、茨木による魔法の応酬も始まった。


「『落雷』、『火柱』、『石槍』、『爆破』」


立て続けに放たれる魔法を『蒼盾』で防ぎ、あるいは『蒼剣』で斬り伏せるミカエル。防ぎきると即座に、攻めに戻る。


〔『赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)・乱』!〕


今度は『蒼剣』から『赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)』を発射し、星熊と茨木を狙う。


「こんなもの、星熊が相手するまでもない。『転移門』」


茨木が魔法を発動し、赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)の軌道上に空間の穴を作る。赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)は全てその穴に飲み込まれ、茨木の前にできた穴から放出された。


(マズい!全部戻される!)


カルメラの周囲は、『時空防壁(ファイアーウォール)』によって時空的な干渉はできない。そこで茨木は、自身の目の前に穴を作りブレスを回収。放出の際は自身の目の前に出口の穴を作り、100本以上のブレスを纏めて反射したのだ。しかし、これも結局『蒼盾』で防がれてしまう。

―――茨木の想定通りに。


(ぐっ!)


凄まじい衝撃を発しながらも、ミカエルはブレス達を防ぎ切る。だがその間、星熊への警戒が疎かになる瞬間があった。そしてその一瞬の間に、酒吞が戦線から離脱し、星熊はカルメラに肉薄していた。


(っ!跳ね返したブレスは囮ですか!)


焦ったミカエルは緊急措置として、星熊自身をどこか別の場所へと転送しようと考える。しかし、星熊には茨木による転送妨害の結界が張られ、さらにそれが『怪力』によって強化され、星熊を転送することができない。


「来いや!『赤口(ミシャグジ)』!」

「茨鬼戦法・六ノ型『炎雷龍(ほのいかずち)』!」


敵の攻撃手も緩まない。星熊の呼びかけにより、突然地面から、真っ赤な口を開いた白く巨大なヘビが6体出現し、カルメラに迫ってくる。茨木の拳からは、赤熱を帯びた雷の龍が拳1発につき1体、10乱打なので計10体放たれる。当然、『怪力』と結界のコンボで転送もできず、『転移門』すら通用しない!


(『神速思考』、『並列思考(マルチタスク)』!!)


ミカエルは思考を増やし、時間を引き延ばし、必死に考えを巡らせる。


(考えろ!考えろ!このままではカルメラ様(マスター)を守れない!茨木と星熊を倒すこともできない!・・・落ち着け!まずは、今までの戦闘を振り返ってみるんだ!)


ミカエルは茨木、星熊との戦闘の記録を見返す。


(スキルの出力は、ワタシの方が確実に上。でも出力があるだけで、それを使いこなす技術は到底及ばない。だからワタシは使い慣れた『蒼剣』と『蒼盾』を軸として、それに他のスキルを付与する形をとってきた。でも・・・付与するだけでは付け焼刃にしかならなかった。経験と技術で負けている今、唯一勝っている出力でそれらを打ち破るしかない。でも、その出力が足りない・・・ならば、付与するのではなく、スキルそのもの(・・・・)を融合してしまえばどうだろう? スキル同士を融合して、今よりもさらに強力なスキルを生み出せば・・・!)


1つの結論に至ったミカエルは、即座に行動を起こす。


(軸はやはり、『剣神』が良いですね。カルメラ様(マスター)との相性が1番良いです)


研究開発(ラボ)』をフル稼働し、『赫竜息吹(ドラゴン・ブレス)』・『剛力』・『時空断裂』・『ゴブリン・バスター』・『素粒子操作』・『純熱生成』・『怪力』・『賢王』の情報をスキルとして具現化。さらに、称号『茨木童子』を元に作った極上(アルティメット)スキル『幻想茨』、称号『星熊童子』を元に作った極上(アルティメット)スキル『大地支配』も具現化する。そして『剣神』の『蒼剣』と『絶対切断』を融合し、そこに具現化したスキルを融合していく。


(そうだ、これ(・・)も融合してしまいましょう)


そう言ってミカエルは、カルメラが何故か使おうとしない(・・・・・・・)ギフト『勇者』の『光魔法』も具現化、融合する。加速した思考と同じ速度で、数多のスキルが混ざり合い、1つになっていく。そして―――『蒼剣生成』は『赫灼幻想剣』へと進化を遂げた。


(まだ足りない。『剣神』に『蒼盾生成』及び『絶対防壁』を統合!先程と同じプロセスでいけば・・・来た!『赫灼幻想盾』だ!)


さらに『剣神』にも変化が起きる。権能『剣神』は、権能『幻想剣神』へと進化し、今までの比にならない力を宿していた。


(改めて考えると、とても元AIの戦闘とは思えませんが・・・圧倒的な出力によるゴリ押し。これならいけるかもしれない!)


ミカエルは早速、『赫灼幻想盾』を発動、展開する。その直後、白い大蛇と雷龍の群れが、カルメラ目掛けて突っ込んできた。凄まじい衝撃波が起こり、茨木と星熊、さらには酒吞までもが動きを止め、守りに徹した。


「これだけやれば・・・」

「ああ、終わりだな」

「このあたしを相手に、茨木と星熊を抑えながら、よくここまで戦ったよ。でも、あたしにばかり集中して、コイツらの相手を疎かにしたのは失敗だったな」


勝利を確信した鬼達は、口々に言葉を並べる。やがて土煙が収まり、先程までカルメラがいた場所を確認すると・・・


『っ!!?』

「ふぅ~、さすがに危なかったね」


そこには、ステンドグラス風の幾何学模様が描かれた盾に囲まれ、かすり傷1つないカルメラの姿があった。


「う、嘘だろ!? 無傷!?」

「馬鹿な!完璧に決まったはずだぞ!?」

「というか、あの盾は・・・!?」

「ヘイヘイヘーイ!驚いてる場合じゃないよ?」

「っ!!こんのぉっ!!」


『赫灼幻想盾』が消えると同時に突撃してきたカルメラを、酒吞は面食らいながらもどうにか受け止める。そしてそのまま、再び2人の戦いへと突入した。


(さて、ワタシもさっさとコイツらを倒して、早くカルメラ様(マスター)の加勢に周らなければ!)


『幻想剣神』を全力稼働し、『赫灼幻想剣』・『赫灼幻想盾』を大量に顕現する。瞬間、茨木と星熊の背筋が凍りついた。


「あ、暴れろ!赤口(ミシャグジ)共!」


白い大蛇―――赤口(ミシャグジ)達がカルメラへと迫る。赤口(ミシャグジ)は、土着神、或いは祟り神とも称される上位の魔物。大地を支配する『星熊童子』の称号があれば、赤口(ミシャグジ)を支配し意のままに動かすことも可能なのだ。


〔確かに赤口(ミシャグジ)は強力ですが、もう我々には通用しません〕


ミカエルが6つの『赫灼幻想盾』を、赤口(ミシャグジ)の前に構える。そして盾に触れた瞬間、赤口(ミシャグジ)は頭から体が崩れ、消滅してしまった。


「んなっ!? 赤口(ミシャグジ)が消えた!?」


赤口(ミシャグジ)が消滅した原因は、『赫灼幻想盾』の持つ力の1つ『素粒子操作』にある。全ての物質は、途轍もない数の粒子という物によって構成されているのだが、その粒子の中でも最も小さい物が素粒子である。では、この素粒子を自由に動かせた場合、何ができるのか? 1番わかりやすいのは、物質の素粒子を四方八方へと分散させることだろう。物質に含まれる全ての素粒子を分散させれば、その物質は素粒子レベルで分解され、消滅する。赤口(ミシャグジ)もこの力によって、素粒子レベルで分解されたのだ。


「だったら、茨鬼戦法・六ノ型『炎雷龍(ほのいかずち)』!」


物理でダメなら魔法でと考えたのか、茨木が先程の雷龍を再び打ち出してくる。今度は100体以上の龍の群れ。先程までであれば、何体かは盾の隙間を通り抜け、カルメラにダメージを与えることができただろう。しかし、ミカエルは一切動じない。


(魔法も効きませんよ)


心の中で冷たくあしらいながらも、今度は『赫灼幻想剣』の力を解放し、波動を放つ。すると100を超える雷龍の群れも、赤口(ミシャグジ)と同様に一瞬で消滅した。


「何で!そんな馬鹿な!?」


雷には、最低数百万ボルトもの電気エネルギーが宿っている。そこでミカエルは、『赫灼幻想剣』に宿した『純熱生成』の力によって、雷龍が宿す物と真逆の(・・・)エネルギーを生成。それを雷龍にぶつけることでエネルギーを相殺し、消滅させたのだ。それを知らない茨木は、あまりの理不尽さに思わず、子供のように文句を言ってしまう。


「ズルすぎるでしょ!これは!」

「同感だぜ。守りを固めろ茨木!」

「わかった!」

「『滅界破怪』!」


カルメラに接近した星熊は、対象を次元ごと破壊する力を込めて、思い切り拳を振るう。拳は盾の1つに当たり、その瞬間、余波によって大地が崩壊し、茨木にもダメージが及ぶ。


「無事か!?」

「全身の骨が1回折れたけど、何とか。それより、奴は?」

「・・・残念ながら、無傷だ」


幾何学模様の盾には、傷1つなかった。


「今度はあっちから来るぞ!」

「っ!」


〔もう遅い!『幻想剣舞(ファンタジア・ダンス)』!〕


100を超える『赫灼幻想剣』の群れが、茨木と星熊に迫る。剣には追尾機能があり、破壊は不可能。その上全ての剣が、先程の2人の一撃を遥かに凌ぐ威力を秘めていて、さらには『光魔法』の力により、速度上昇と魔族特効(・・・・)のオマケつきだ。


「これは・・・!」

「ヤバい・・・!」


剣撃を捌ききれず、茨木と星熊は追い詰められていく。『超速再生』も追い付かなくなってきた。


「はぁ、はぁ・・・星熊、あれ(・・)は使えるか?」

「少し時間が必要だ」

「なら私が稼ぐ!すぐに準備を!」

「わかった!」


茨木は尚も飛び続ける剣達を、一手に請け負う。その隙に星熊が、自身の頭上にエネルギーの塊を作り始める。それは、星熊の残りの魔素全てと、魂から産み出される無尽蔵のエネルギーを利用した、1日1発が限界の星熊の最終奥義。


(っ!まだこんな奥の手を!? しかもこれは、世界そのものにダメージを与える威力。下手をすれば、あの2人も巻き込まれる!何故そこまで?・・・いえ、わかりきったこと。コイツらも、仲間の為に(・・・・・)戦っている。ある意味我々と一緒だ)


カルメラと共に過ごす内に、ミカエルは「自分ではない誰かの為に、一生懸命になる心」を理解していた。だからこそ、今のミカエルには鬼達の「覚悟」がわかる。そして、彼らが決して引かないことも。


(ならば、ワタシも手は抜きません!あなた達の本気、受けて立ちましょう!)


攻撃を中止し、『赫灼幻想剣』を1つに束ね、ミカエルは準備を進める。攻撃が止まったことで、茨木は前線から離脱し、星熊の傍へと移動した。


「どうやら、迎え撃つつもりのようだ」

「俺達の本気に応えようってか? はんっ、それならせめて、こっちを向いて欲しいもんだ」

「いや、きっと見ているよ」

「何?」

「恐らく、カルメラには『代行者(サブマスター)』がいる。私達は途中から、その『代行者(サブマスター)』と戦っていたんだ」

「・・・なるほどな。で、その『代行者(サブマスター)』が今、俺達に全力で応えようとしてくれてるってわけか」

「ああ、随分熱い『代行者(サブマスター)』じゃないか!」


丁度その時、星熊の集めるエネルギーが、最高潮に達する。


「茨木、全力でやってやれ!」

「おうよ!」


茨木が構えを取る。そして飛び上がり、エネルギー弾に思い切り拳をぶつけた。


「茨鬼戦法・終ノ型ガ弐番『双鬼滅怪』!」


星熊が練り上げ、茨木が打ち出したエネルギー弾が、カルメラ目掛けて飛んでいく。『赫灼幻想盾』でも、1枚では絶対に防ぎきれない。


〔まあ、盾でも可能ですが、今回は剣で相手をしましょう!『幻想終焉斬フィーニス・ファンタジア』!〕


『赫灼幻想剣』を100本融合し、1本に束ねた巨大な『赫灼幻想剣』を思い切り振り下ろす。様々なスキルの力を融合した極大剣は、世界そのものにダメージを与える一撃を、ものの見事に真っ二つにした。


「マジかよ・・・」

「これは、無理だ・・・ハハハ」


星熊は愕然とし、茨木は膝をついて乾いた笑いを洩らしていた。


「敵うはずがないな、これは」

「同感だぜ。どの道、もう戦えないしな。俺達はここまでだ」


すっかり戦意喪失してしまった2人だが、その表情は清々しい。


「だが、我々にはまだ頭領がいる」

「頭にはあの剣の力も効かねえしな。きっとカルメラを倒してくれるぜ!」

「ああ、後は頭領を信じて待つとしよう」


こうしてミカエルは、見事、茨木童子と星熊童子を撃破したのだった。

作者より質問です。

皆さんは、いつもどのくらいの時間に「小説家になろう」で小説読んでますか?



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