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聖剣を抜くために聖地にきたら、抜けなかった歴代の聖剣が大量にあった件について

作者: 雪月 想夏

魔王を倒すための聖剣を求めて、聖剣の眠る地を訪れた勇者一行だったが、そこで聖剣についての真実を知るのだった。

魔王による人類への侵攻が始まって1年、各国は全力で対抗しているものの、徐々に魔王軍に押されている状態だった。


そんな中、精霊の導かれた勇者アルス、戦士ロイ、僧侶マリア、魔法使いゾームのパーティは、魔王を倒すために必要となる聖剣を手に入れるために、聖剣の眠る聖地を訪れた。


聖剣は、勇者にしか抜くことができない剣とされている。しかし、一度抜けば絶大な力を使い手に与えるとされる。


聖地の守り人アリスを訪れた勇者一行は、聖剣の場所に案内して欲しいとお願いした。


「私たちは魔王を倒すために旅をしている。ここが聖剣の眠る地だと聞いた。聖剣の場所まで案内してほしい」

「わかりました。あなたが勇者であるか聖剣が導いてくれるでしょう」


そして、勇者一行と守り人は、聖剣の場所までたどり着いた。その剣は白く輝く台座に剣の半分ほどくらいまでが刺さっており、100年以上前のものとは信じられない程の輝きを持っていた。


「これが伝説の聖剣・・。近づくだけで凄まじい聖気を感じる。俺の戦士としての直感が述べている。これはとんでもない武器だと」

「私の僧侶としての導きが告げています。これは大いなる精霊の加護が満ちていると」

「僕のマナ感知がうまく効かない。それほどのマナを放出している」


勇者一行のメンバーは聖剣を目にして、驚きを感じていた。

勇者アルスは、剣の柄を掴むと、


「まあ見てろって。この勇者アルスが聖剣を抜いて見せるからさ」


と言って、力を込めた。しかし剣は微動だにしない。


「うん?あれ?動かないぞ・・・。精霊の導きを受けたこの勇者アルスが抜けないはずないのだけど」


かれこれ、1時間近く奮闘した後、勇者アルスは諦めて言った。


「仕方ない、聖剣は諦めよう。だが、俺が勇者であることは変わらない。聖剣がなくとも勇者として必ず魔王を倒して見せよう。(ドヤッ)」

「そうだな。伝説なんかに頼らなくとも、この戦士ロイが敵を蹴散らして見せる」

「おい、僕の魔法も忘れるなよ、詠唱の時間をもらえれば敵の大群だって吹き飛ばしてみせる」

「あら、怪我をした時の回復のことも忘れないでね。私がどんな怪我を負っても治して見せるわ」

「お前たち・・・!!ああ、俺たちは最強の勇者パーティだ!絶対に魔王を倒して見せる!!!」


「あのーすいません。盛り上がっているところ申し訳ないのですが、そろそろ次の聖剣のところに向かって良いですか?」守り人は申し訳なさそうに言った。


「えっ・・・?」


「実はこれは1代目勇者の聖剣なんですよ。2代目勇者はこの剣抜けなくて、色々冒険した結果、自分の使っていた剣で当時の魔王を打ち果たしたんですよ。その後、2代目勇者は、自分の使っていた剣をこの地に封印したのです」


「ふむふむ、ではその2代目の剣を3代目の勇者は抜いたのだな。僕の天才的な頭脳が謎を解明した!」

「もっと早く言ってくれよ。この勇者アルスが求めている聖剣はそれだ」


「いえ、3代目勇者は2代目勇者の剣を抜けなくて、(以下略)」


「・・・・」


守り人の案内に従って進むと、台座と剣のセットが地平線まで続いていているのが見えた。


「これは・・・」


「そう。毎回勇者は前の聖剣が抜けなくて、新しい剣を聖剣としているので、毎回聖剣が増えていくんですよね」困った様子で守り人は頭を掻いた。


「聖剣ってなんだろう・・・。」


「あ・・・、聖剣を封印する場合、金貨100枚が必要となりますのでよろしくお願いします。いやー、保管も大変なんですよ」


「あ・・はい」

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