表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/24

1-4:魔法少女なんて納得いかないんだけど?

-パロネーの街-

 「え?いや…何故って…。そもそも敵同士だし…。」

 「そんなもの、愛の前には関係ないではないか!現に、俺の母上は先代の魔法少女だと言っていたぞ?」

 「えっ!?」


 その魔王の発言に、驚愕(きょうがく)の声を上げたのは自分一人だった。

 逆に、雪路(ユキジ)夏那(ナツナ)は知っていたのか、驚いたようにこっちを見ている。

 (え?こいつ聞いてなかったのかよ。)という目を向けられても困る。

 本当に初耳なのだから…。


 (あれ?なんか、初耳な話が今日だけで2つって多くないかな?さっきの話も、雪路(ユキジ)達は知ってたみたいだし…。これは…アレだな。意図的(いとてき)に話されてないやつだな…。)


 後でルオルフを問い詰めないと…と考えていると、魔王の手が頬を撫でる。

 ゾワッと鳥肌が立ったが、目線を上にあげると、心配そうな表情をした魔王がいた。

 本能的に、手を振り払わなくて良かった。

 振り払っていたら、側近2人に攻撃を仕掛けられていただろう。

 魔王も、落ち込むか硬直するかして、収拾(しゅうしゅう)がつかなくなっていたに違いない。


 「だ…大丈夫か?ユキジとナツナは知っているようだったから、そんなに驚くとは思っていなかったんだが…。」

 「あー…いや。うん。聞いてなかった話だったから、ちょっとびっくりしただけだから…。心配してくれてるのに悪いんだけど、その…頬撫でないでくれる?」


 そう言って、引き()った笑いを向ける。

 話している間も、スリスリと頬を撫でられていたのだ。

 どさくさに(まぎ)れて、唇の感触を楽しむように押し広げてくるのは勘弁だ。

 魔王は慌てたように手を離す。

 案外イイ奴なのかもしれない。


 「あのさ…()いてくれてるのは、ちょっと嬉しいんだけど。()…変身解いたら()だからさ…。」


 一瞬の()(あと)、驚きに体を震わせている魔王。

 魔王と同じく、驚きの表情を浮かべている側近2人。

 何やら残念そうな表情を浮かべている雪路(ユキジ)夏那(ナツナ)

 え、何その(あーあ、言っちゃった…。)みたいな顔。

 もしかして楽しんでた?


 「え…?い…いや…。何を言っているんだ?どこをどう見ても女子(おなご)ではないか…?こ…これが偽物(ニセモノ)だと…!?」


 まおう は こんらん している !

 という言葉がお似合いなくらい、動揺しているようだ。

 驚愕の表情を浮かべ、俺の胸を触っている。

 おい、やめろ。

 ラッキースケベ(どころ)事案(じあん)じゃないぞ。

 仮にも、今は女子の身体なのだ…そういうのはやめてほしい。

 なんか、触られただけで鳥肌たつし…。

 という訳で、鳩尾(みぞおち)に右ストレートを叩き込む。


 ドスッ!!

 「ぐっ……!!げほっ…な…何を…?」

 「何を…じゃないよ!堂々とセクハラしやがって!こっちの方が何を…?だよ!」

 「な…っ!自分で男だなどと言ったのではないか!さては冗談だったのだな!?自分で女子(おなご)と認めたようなものではないか!(あい)らしい奴め!フフフ…ふにふにと、実に良い感触だった…。あの柔らかさは本物…っ」

 ガンッ!!

 ドサッ…


 もう一度殴った。

 (あご)を殴った結果、魔王の意識は刈り取られたようだ。

 地に倒れ()している。

 側近2人も唖然(あぜん)としているようだ。


 「…そいつ連れてさっさと戻れよ。それともなにか?君達も一発いっとく?」


 右手に(こぶし)を作りながら、ニッコリと微笑んで見せる。

 小首(こくび)(かし)げて問うと、青褪(あおざ)めながら首を横に振っている。


 「く…っ!き…今日のところはこれで勘弁してやろう!」

 「次は、こうはいかないからな!お…覚えておけ!」


 そう言いながら、2人の側近・アンブロとケルメは魔王を担ぎ転移していった。

 あとに残された魔法少女3人。


 「…なんかすんなり終わったねぇ。お城戻ろうかぁ?」

 「そうだな…俺もルオルフに聞きたい事もあるし…。」

 「(ハルカ)さん。言葉使いに気をつけますの。今は女性なんですの。俺とか言っちゃ駄目ですの。」

 「あー…はいはい。わかったよ…。」


 ため息をつきつつ、転送ゲートを展開する。

 魔王が居なくなった事で、街の人達も各々(おのおの)の家から出てきていた。


 「また、魔王が来たらすぐに駆けつけますので!皆様の避難協力感謝いたします!それでは!」


 そう言って、3人の魔法少女は姿を消す。

 (あと)に、割れんばかりの歓声を残して…。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

天音りんごです。

今回でなんとか一纏めになりました。

え?無理やり感が否めない?

気のせいです。

次のお話も良かったら読んでやってください(。・ω・。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ