隠居前物語り~3~
中等部二年生に上がった頃。
紅夜家と縁を切ったはずの、もう一人の叔父が突然現れた。
父と叔父の二人にその人は、今までの事を一週間謝り続けた。
そして、しぶしぶ許し一緒に住む事になった。
だけど、あの人何だか嫌だったから、なるべく会わないよう気を付けていた。
そして、高等部に上がってすぐのある日の事。
突然あの人と私以外の人が居なくなっていて、あの人が当主になって、使用人も全て変えられてた。
あの人は理由を話さなかった。
だから私は、卒業後すぐ家を出て隠居する事にした。
身の危険があったからね。
あの人は私を勝手に自分の婚約者にして、卒業後すぐ結婚するつもりだと言ったから。
私は、友人達にも何も話す事なく、密かに色々と調べたのだ。
あの人は、友人達に危害を加えるかも知れない危ない人だから…。
紅夜家と縁を切られたのも当主達を殺し、その座を奪い盗ろうとしていたかららしい。
そこまでして紅夜家の権力が欲しい理由が、紅夜家と同じ位にある、白鴎家の一人娘である白鴎 蘭12才と結婚する為だとか。
なんでも、蘭ちゃんの亡くなった母親に恋し、付きまとっていたとか。
で、恋に狂ったあの人は好きな人を奪う為に、さっさと当主になろうと家族殺害を計画。
実行する前に見つかり、白鴎家からも苦情が来ていた為縁を切り、遠くに追い払った。
で、父が当主になり前当主の私にとっての祖父も亡くなった事をしり、帰って来た。
かつての初恋の人が亡くなっていて、当時の行動も悪いと認め謝り、これからは紅夜家の為に働くと言った。
そして家族の縁を取り戻し、密かに白鴎家を調べ、母親似の蘭ちゃんを見つけ、今度こそばれないよう当主の座を奪った。
私と結婚するのは、白鴎家へのカモフラージュにする為で、蘭ちゃんが高等部卒業したら私を殺して結婚するつもりだ。
蘭ちゃんは、あの人について何も知らない。
私を利用し近こうとしていたから、私は白鴎家と蘭ちゃんに匿名で警告と、今まで調べたあの人がしてきた罪の資料を送った。
送ったのは高等部二年生になる少し前だけど、あの人にはばれていないようだ。
卒業式の後、白鴎家の当主からすれ違いざまに紙を渡され、あの人に見つからないよう家を出た。
道ながら紙を見ると、明日にはあの人を王家とともに法で裁くと書かれていた。
あの人があの後、どうなったのか、紅夜家がどうなったか…。
勝手に隠居した今の私には、全く分からない。
分かって居るのは、あの人は卒業式の日一時帰宅した私に、結婚式は明日するが直前になって嫌がらないようにしてやると。
そう言った。
悪い笑みで…。
思わず殴りたくなったが、それ以上話したくないのでさっさと適当な理由を付け外へ出た。
もし、あの人があのような事をしようとしなければ…。
いや、もしもの話しなんて意味ないよね…。
とにかく、私は紅夜家に連れ戻されるまで隠居生活を止める気はない。
例え戻された所で、私には居場所がない。
もう紅夜家には、私だけだから…。




