隠居少女と夏の終わり
蜩の鳴き声って、何だか夏の終わりっていう気がしませんか?
ちなみに、蜩は7月~9月に現れ、早朝と夕方に鳴くそうです。
早朝と夕方になると、蜩が鳴く。
鳴き声は、<カナカナ…>という感じだ。
それにしても、もう夏も終わり…。
やり残した事が、一つあるので私は現在滝壺に来ている。
準備体操をし、浮き輪変わりになる物を持って、滝壺の水の中へと入った。
やり残した事とは、川や海で泳ぐ事だった。
しかし、この辺りにある川も海も泳ぐのはちょっと難しい。
川の方は、浅いか深くて流れが早いかのどちらかだけだった。
海の方は、クラゲがいたのだ。
だから、滝壺の方で泳ぐ事にしたのだ。
浮き輪変わりに掴まり、ぷかぷか浮きながらのんびりゆったりと泳ぐ。
「…やっぱり、下は深くて浮き輪無しだと怖い。」
いざとなれば、浮き輪無しでも泳げるんだよ?
でも、今はいざという時じゃないし、なるべくなら浮き輪ありがいい。
無理しても、あまりいい事なんてないんだよね。
ふと、空を見上げた。
遠くの方から、ヘリコプター音が微かに聞こえた気がしたのだ。
それらしき姿も見えたので、急いで滝壺の通路へ身を隠した。
<バラバラバラ…>
上空を通過して、通りすぎていくヘリコプター。
「…やっぱり、通路作って正解だった。」
私は、念のためしばらく通路の中で身を潜める事にした。
それにしても、さっきのヘリコプターは私を探しに来たのかな?
もし、そうだったとしたら…。
「…もうちょっと、気を付けなきゃ…」
私は、溜め息まじりにそうつぶやいたのであった。
まだまだ、見つかるわけにはいかない…。




