隠居少女と台風
主人公だって、狩りの時に何も感じないわけではないんです。
この世は、弱肉強食。
主人公は、生きるために獲物を狩る。
ちなみに、初めの頃は主人公だって狩りの時に、ためらったりしていましたよ。
<ザーザー…ピカッ!…ゴロゴロ…>
今日は、朝から雷が鳴りやまず…雨風も強い。
そんな日は、家で大人しくして居るのが一番いいけど。
でも、食料が少なくなって来たし、出来れば今日の内に調達しておきたい。
晴れてくれたら、良かったんだけど…どうやら台風が立て続けに来ているようなので、仕方なく狩りに来ている。
いつも以上に、気を付けているけど…。
「やっぱり、獲物が少ないな…」
こういう天気だと、獲物も外出は控える。
分かっていた事なので、別に獲物が少なくても気にしない。
「…巣をみつけて、狩ればいいだけだし…」
獲物が、可哀想だけど…お互い弱肉強食の世界に生きているし、死ぬかもしれない覚悟ぐらい持っているから遠慮容赦なく狩る。
生きるために…。
そうして、見つけた獲物である猪一家が暮らして居る巣へと私は、ためらう事なく歩いて行く。
雨風や雷のおかげで、猪一家は私に気付かず寝ている。
「…ごめんね…」
私は、小声でそう言って木刀を構えた。
せめて苦しまないように、獲物を一撃で仕留めた。
その後、食料調達を早めにきりあげた私は、家に帰る事にした。
「…台風のせいで、何だか気分が滅入っちゃうな…。」
頬をつたって、下へこぼれ落ちる雫を手でぬぐいながら、家を目指して歩いて行く。
こぼれ落ちる雫は、さっきからずっと降っている雨だし、別に泣いてなんてないからね?




