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融ける

作者: 山兎

『融ける』


凛と静かな空気のなかで

わたしが

ゆっくり

とけていく


身体のなかから

透きとおり


皮膚という 点と 線が

じんわり

やんわり

とけていく


瞳を閉じて 視界をふさげば

耳に触れる しんとした音


空気の音か

空気の音か


鳥のさえずる鳴き声も

雨のしとしと泣く声も

聞こえるはずでも

耳には入らず


ただ

ただ

わたしが

解けていき

溶けて

ゆらりと

晒すのです


とけた芯から

転がり落ちた

わたしの在処(ありか)


あばかれて

あばかれて


世界に

そのさま

晒すのです


わたしが

ゆっくり

解けていく

じんわり

やんわり

溶けていく


空気にその身を(ゆだ)ねたら

ゆっくり

とけて

解けて

溶けて


こりかたまった

わたしの(こご)りも

こんなに さらりと 流れます

こんなに さらりと 流れます


こんなに

泪がこぼれます

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― 新着の感想 ―
[一言] 6月投稿の4つの中ではこれが一番好きかな 「空気の音か」 耳鳴りですか 辛いですね これ聞こえるって
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