表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

この世界について

区切り悪いです。

すいません。

見知らない天井。

上体を起こしとりあえず周囲を確認。

神階で再現された俺の部屋より遥かに広く造りは西洋風ともどこか違うが

俺の知っている形式では西洋風がおそらく一番近いだろう。

現実確認もし、ゆっくりと心の整理を行う。

俺はイシュタムによって異世界に飛ばされ……

飛ばされ……

今に至る?

それじゃ、ここは異世界?

当たり前だが体に違和感はない。特別強くなってはいなさそう。

自分の手をグーパーと広げ閉じるの繰り返し確認。うん。変わっていない。


コンコンッコンコンッとリズムのいいノックが聞こえそちらに耳を傾け

それと同時に扉が開き黒を基調とした服を着た女の子が入りすぐ俺に向け一礼し口を開く。


「学園長がお呼びです。そちらのお召し物に着替えください」

そちらと言われた方を向くと綺麗に畳まれた衣服がそこにあった。


「えっと、学園長で……? てか、ここどこ? あなただ――」

一度に聞きたいことを滔々(とうとう)と話したせいか

相手はあからさまに不機嫌の様子を見せ俺に再び同じことを告げるが

それは先ほどの相手を敬う様なものではなく相手を従わせるかの様な言い方だった。


「は・や・くお着替えください」


「……はい」


異世界で出会った女の子はかなり厳しめで怖いけど

それでいてもやっぱり可愛かった。

俺は彼女が着ている服と酷似している衣類を身にまとい

彼女に準備ができたと伝える。

彼女は俺が着替えている姿はさすがに直視できなかったのか

背中を向け待っていた。

そういう強がっているけど男慣れしてないとこ好きです。


「むっ、失礼なこと考えてません?」


「ま、まさか」


「まぁ、いいです。ではご案内いたしますので付いて来てください」


若干嫌な汗をかき、彼女は靴の音を規則正しく床に響かせ歩き

俺は履きなれてないブーツのせいか若干不格好にもなりながらも付いていく。

道中、俺と同じ格好。彼女と同じ格好の若い……といっても俺と彼女とあまり歳は変わらなさそうだ。

その時点で俺はこの格好が何を意味するのもこの場所がどういうところなのかも大体察しがついた。

そして、彼女は人気があるのか道行く男子から女子からさえも嫌味の目線とは明らかに違う目線を送られている。

それも、そのはずだろう。

初めこそ慌てたせいもあって気付かなったが改めて見るとかなりの美少女。

綺麗に肩まで伸び汚れを知らないと主張するばかりの銀髪。

瞳は碧眼と言われるものでその青さは海をも連想させ、体型は出るとこはしっかり出ており

しまるとこはしまる。健康的で適度に運動をしている証拠だ。


規則正しい音は止み扉一つ目の前にし彼女は口を開く。


「ここが学園長室です」


そう言い彼女はドアノブを回し入る。

それに続くように俺も入ると一見普通の学園長室であり高そうな椅子に手を組み座っている男が居る。

彼、学園長と思われる人物は勢いのある人特有のオーラはあるが、見栄や気取りはまったくなく俺に笑顔を浮かべ話しかける。


歳は俺とあまり変わらないように見えるが……? あと、イケメンだから死んでほしい。


「君がイシュタム様から推薦のあった九王……、ええと、あ、あ、あ、……ふみとくん?」


やっぱ、イケメン死ね。


「ちげーよ! 絶対分かっててやりましたよね?! あやとだよ、あやと。 九王文十。 てかイシュタムの事……」


「あはは、ごめんごめん。 うん、聞いたよ。」


「詳しく聞かせてくれ!」


そう言うと学園長らしき男は俺の隣、つまりは部屋から一緒に歩いてきた美少女に目をやり若干考えたのち

俺ではなく彼女に前触れもなく彼女に話す。


「アリアくん、すまない。5分席を外してくれないかい?」


アリア……。

俺は初めてそこに立っていた無関心の(俺に対して)美少女の名前を聞き嬉しさを憶えたと同時に綺麗な名前だとも感じた。


アリアは「かしこまりました」と言い部屋から退室しその場に居る人物俺と学園長……らしき人物。

俺は別に鈍感系主人公じゃないから分かる。むしろ、俺は自分を鋭いとも思ってる。

恐らく俺の素性について話すだろう。

何となく学園長……らしき人物の顔付きが神妙になり真剣みを増し俺の手からは汗が出て自分でも緊張しているのがよく分かる。


「さぁ、何から聞きたい?」


「俺のことなんて聞きました?」


「ふっはっははっははあはははははははは」


「は?」


「あー、ごめんね。あはっ。おかしくって。普通そこは『あなたは誰?』とか『ここはどこ?』でしょ。あははっ」


いきなり笑い出し俺何事かと思った。

何か変なこと聞いた? ねぇ?

俺が不思議そうな顔で見ていると学園長……らしき人物はまだ笑っているが喋りだす。


「……僕はね君の全てを聞いたんだよ」


「す……べて?」

ドクンと自分の心音が波打ったのが聞こえた。


「そう。君の好きな女性のタイプも。君がどういう人かも。」

ドクンドクンと俺の心音は静まらない。

俺は知っている。この先に続く言葉を。いや、分かるといった方が正しいだろうか。

いや、でも、信じたくない。だってそれは……


「君の死んだ理由も」


――やっぱり。


「そんな、なんで?」


「イシュタムから全ては聞いた。彼と僕はお友達でね。そういうつもりの『なんで?』では無さそうだね。君はまだ『自覚』してなかったんじゃなかったのかな? 死んだことを」


学園長……らしき人物の言葉は鋭利の刃物に代わり次々俺の胸へと刺さった。

そうだ、心のどこかで俺はまだ生きていると思っていた。

いや、今の『九王文十』はここにちゃんと居るのだから……

存在しているのだから、笑っているのだから、話しているのだから、だから、だから。

だから、俺は自然と目を背けていた。自分が死んだという事実に。

そう思うと力が抜け、口から出てきたのは乾いた笑い声にもなっていない笑い声だった。


『当たり前だ。そうなるのは。君は死んだんだ。こことは違う世界で。

 でも、考えてもみなよ。今ここに君は居る、立っている。これは生き返りなんだよ。』


「生き返り……?」


「いや、生き返りとは違うか。うーん。そうだ、君は『異世界転生』したんだ」


ははっ。

出たのは乾いた笑いでは無くただただこの人は俺のことを思ってフォローしてくれてるというのが嬉しくて素直に笑い声が出てしまった。


「イシュタムと同じこと言うな。 ほんとに友達なんだな」


「あっはははあっはっはは。そうなのかい?」


「あぁ。よく似てます」


変に世話焼きでおちゃらけてるところがそっくりで懐かしくなりつつ俺はまたおかしくて笑う。

一方、学園長……らしき人物もよく笑う人だ。

俺が来てからほとんど笑っている。

そんな学園長……らしき人物も次第に笑わなくなり空気はまた重くなり学園長……らしき人物は俺に問う。


「僕から聞かないのかい?」


ドクンっ

また心音が鳴り響いた。


「えっと、なにを?」

誤魔化す


『記憶』

ストレート


『……ッ!』

黙る


「分からないかい? 僕から君が『生きていたころの記憶』を聞かないかのか?って聞いてるんだ」


そりゃ、知りたい。

俺がどんな人物でどんな生前だったのかなんて気にならないわけがない。

そこには俺の生きた証があって生きる理由があって死にたくない理由もあって……死んだ理由もあるんだ。

でも、このまま他人から横流しで聞いていいのか?

俺はそれを信じてこの先新しい人生歩けるのか?

答えは否だ。それは記憶の植え付けだ、そんな『他人』の記憶では無く俺は本当の……本物の『自分』の記憶を持ってすすみたい。


『こ、答えは聞かない……です』


学園長……らしき人物は少し下を向いた。表情は俺の位置からは確認できないため分からない。

『理由を聞かせてくれないか?』


『自分がないから。』


『自分がない?』


『イシュタムやあんたから生前の話を聞いたらそこに今現在の『自分』はまったく関与していない。そんななのは嫌なんだ。それにあんたの事はともかくイシュタムのことは信じてないわけじゃない。けど、信じられる信じられないと信じる信じないは全くの別もんだ。だから、俺は俺と生きていた俺が納得できるまで自分で思い出す』


『そうだね。その通りだ。君が見つけなきゃ意味などなかった それを忘れないで』


学園長……らしき人物がそう言うとアリアが扉を開け中に入ってくる。

どうやら俺は話し込んで時間経過を忘れていたようだ。


「ちょーどいい。話は終わったよ 紹介しよう。何回か名前も呼んでるから分かるだろうけど彼女はアリア・スタンフィールドさんだ。君の学習係でもある。 見ての通り美少女だけど襲ってはいけないよ~?」


話終わりかよ!

何のために時間もらったのか分からないな

アリア・スタンフィールドと紹介された彼女は学園長……らしき人物から俺に向き直し挨拶し言葉で補足する。


「アリア・スタンフィールドです。 あなたの学習係です。」


名前はいいんだけどさ、その『学習係』てなに?

俺はこの世界に記憶を取り戻すしか聞いてないんだが……

そもそもあれだけ担架きったのはいいけどどうやって記憶を取り戻せるのか?

わからない、わかない。


そんな考えが俺の頭の隅から隅まで走り回り混乱させる。頭を抱え込む俺に学園長……らしき人物が察したのか説明する。


「君にはこの魔導専攻ビブダリアで青春を謳歌して頂く!」



「は?」


んーと、まどうせんこうびぶだりあ?

なにそれ、美味しいの?

頭がついていけない。

そもそもそのー、まどうせんこうびぶだりあで青春謳歌して記憶て思い出せるの?

そんなことで思い出せるのだろうか。


「君が死んだのは17の時。つまりは青春真っ最中に君は死んだ。なら同じ青春時代で刺激をもらい記憶を思い出す!!」


理には適っているのか?

いや、でも、逆にそれ以外に方法が浮かばない以上それに従うしか……

それにイシュタムが賛同したならそれを信じ切るしか……。


「なるほど。分かりました。」


「よーし、それではさっそ――」


ここで俺は制止する。

まだ重要なことを聞けていない。


「名前。あなたの名前」


俺が唐突に言ったためか。

目をパチクリさせる学園長……らしき人物は若干気恥ずかしそうにしながらそれこそ悪びれて答える。

アリアはその間もずっと無表情でただそこで話を聞いていただけだった。

その姿は視認できる酸素や窒素それらの無機物と比喩できるほどにただそこに居るだけだ。


「いやーこれは悪いね。僕の名はロバート・サミュエル。ここ魔導専攻ビブダリアでの学園長さ」


やっぱり学園長か。

いや、なんとなくていうか。うん、知ってた。

しかし、どう見ても俺と同じ歳にしか見えず俺は不思議に思う。


「で、俺はどうすればいい?」


「あぁ、それはね――」


そこからサミュエル学園長はこの世界について説明し始め

俺とアリア(学習係りだからか?)は強制的に聞かされていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ