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65終焉

 私は広場に出ると、愛犬のプーを呼ぶ。

 どこにいたのか、プーといっしょに、二匹の精霊も、そこに現れた。

「プー、戦場に行くわよ。私たちのこっちでの、生活費が懸かってるんだから、今度はやるわよ。」

 私の頭の中は、砲弾一個節約、イコール屋敷一個分、という経済観念に支配されていた。

 私は広場で、雄叫びを上げた。


 もと、企業マンの仕事開始前の掛け声だ。


 やるぞ、やるぞ、やるぞぉー!

 人間。やって見てから、考えろぉー!!!


 いつもの私なら、このあと、やってから考えたら、そこで終わりじゃん、と自分に突っ込む所が、この時は、それがなかった。

 それほど、異常な心理状態だった。

 ただ私の頭の中には、全ての砲弾が残れば、この後、一生遊んで暮らせるぞぉーのみだった。


 よっしゃぁー。


 私は、愛犬プーと精霊二匹を連れて、砦を飛び出すと、走りながら、そのまま戦場に向かった。


 戦場に着くと、マナ将軍とプリンちゃんが、大活躍をしていた。

 その将軍の背中を守るように、グリム副将軍が、剣を振るう。


 右翼側もシルバーにチャゲ、ブランの活躍で、結構圧している。


 それに比べ、将軍や強い隊長がいない、左翼側の状況は、一進一退だった。


 危ない!


 このままだと、確実に砲弾イコール屋敷一個分が、吹っ飛んでしまう。


 私は、愛犬プーを連れ、左翼側の戦場に、雪崩れ込んだ。


 突然現れた私とプーに、一瞬、戦場が混乱したものの、私たちが縦横無尽に、敵を倒すのを見て、味方の指揮が上がった。

 さっきより格段に、動くが良くなっている。


 昨日と同じように血しぶきが上がるが、私の頭の中は、砲弾イコール屋敷一個分の呪文が、ガッチリ頭に刷り込まれて、それ以上、一ミリも動揺しなかった。

 よく考えれば、これは自分でも異常な状態だったのだが、その時は、まさかホークが、私に洗脳という呪文を使ったとは思いもよらなかったのだ。


 遠くで、私を見ていたシルバーとブランが語った所によると、その様子は、まさに、鬼神のようだったと後で言われた。


 結局、呪文にかかった私は、その力を思う存分ふるって、敵を薙ぎ払った。


 まさに、伝説の英雄、ルドルフの再来だったと、戦いの後、左翼側の兵士に讃えられた。

 おかげで戦場は、押せ押せの状態だった。


 最初の予想は、長期戦を視野に入れていたようだが、今の勢いは当初の予想のはるかに上をいっていた。

 マナ将軍の号令がさらに飛ぶ。

 全員が砦の遥か後方に陣を構えている敵の本陣に襲いかかった。


 乱戦に縺れ込んだ。


 ここで、敵陣に王であり将軍であるギルバートが現れた。

 見上げるほど巨大な黒馬に跨り、その姿は堂々として見惚れるほどだ。


「流石、ギルバート。いい指揮管ぶりだな。」

 マナの賛美に、隣にいた副将軍のグリムが、射殺さんばかりの目線でギルバートを見た。

 マナは、そんなグリムの様子に気づかず、そのままさらに隊に激を飛ばす。

「行くぞぉー。私に続けぇー。」

 マナは、そのまま、中央からギルバートに突っ込んだ。

 マナの剣は、ギルバートの前にいた敵の副官に遮られた。

 その隙に、グリムがギルバートに斬りかかる。

 二人は、互いに剣をぶつけながら、激しく斬り合った。


 あちらこちらで悲鳴が上がり、血しぶきが飛ぶ。

 そこに、砦に置いてあったマラカナイトで造った大砲が到着した。


 すぐに戦場に轟音が鳴り響き、途端に、戦況は一変した。


 数刻のうちに、”洗面器のすきま”で行われた戦いは、新兵器を戦場に投入したことによって、すぐに終結を迎えた。

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