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62援軍

 私の疑問顔をバイオレットが、キョトンとした顔で返してきた。

「そりゃ、守護契約をしてるんだもの、当たり前でしょ。」

 両手を腰に当てて、大層偉そうに断言する。


「えっ、でも、次郎左衛門さんの時は、確かあなたたち、何もしなかったわよね。」

 私は素朴な質問をぶつけて見た。


「えっ、次郎左衛門?」

 バイオレットは、さらにキョトンとした顔で、こちらを見て来た。

まったく、なんでわからないのよ。

「マナ将軍のお爺様、もしくは、スズ公爵夫人のお父様のことよ。」


 バイオレットは、なるほどという顔で頷いた。

「次郎ちゃんのことね。」


 このナニ一号、戦国武将を”ちゃん”付けで呼ぶって、どうよ。

 私は心の中で、突っ込んだ。


「何言ってるのよ。次郎ちゃんは、すぐに、魂の片割れである、マリアを見つけたんだから、その時点ですっごく幸せになったから、守護契約も解除になったのよ。」

 バイオレットの目は、”本当に、なんで見つからないのよ、この馬鹿の半身は”と物語っていた。


 私としては、そのおかげで、今、魔法という守護の力を借りられているので、見つからなくて、ラッキーだったと、心の中で拍手した。


 そして、ふと見ると、私がシールドを張っている横で、愛犬プーが縦横無尽に暴れまわっていた。

 それは、まさに、御主人様を守る忠犬ハチ公のようだ。


 ごめんよ、プー!


 今まで私は、お前のことを、駄犬だ、何だと、実は蔑んでいたんだ。

 今日、この日から、すっぱり、その意見は・・・。


「よし、いいぞ、プー。そのまま相手の喉元を食いちぎれ。そして、お前の雄姿を、魂の片割れであるプリンちゃんに示すんだ。」

 プーの頭上で、記録クリスタルを掲げながら、ナニ二号もとい、ブルーが薄青色の羽をはためかせながら、その戦いぶりを録っていた。


「あれ、何してるの?」

 思わず私の口から、そんな単語が、こぼれ出ていた。


 バイオレットは、私の声に、隣で戦っている愛犬プーを見た。

「ああ、あれ。決まってるでしょ。プリンちゃんがご主人様守るために、一緒に出陣することになったから、プーもここに来たのよ。それも、ご主人様を助けた雄姿をブルーが記録クリスタルに録って、プリンちゃんに見せれば、そのプーの雄姿にきっと、プリンちゃんも惚れるはずよ。」

 私は、バイオレットの話を聞いて、唖然とした。


 それって、何?

 さっき私を助けたのは、ご主人様を思っての行動じゃなくて、好きな子、もとい犬に、良い格好を見せたいがためってこと!


 なんて、こと。


 さっきの私の感動をかえせぇー。


 私は、空に向かって、叫んでいた。

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