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57/99

57感想ですか?

 私は、最後まで読み終わって、本を閉じた。

 読み終わった私を見て、シルバーが感想を聞いてきた。

「そうですね、すごいの一言に尽きるでしょうか?」

 私の感想に目を丸くしたシルバーがさらに突っ込んで聞いてきた。

「他には、何かないの?」

「他ですか?これといって、ありませんけど。」

 私は少し考えてから、もう一言付け加えた。

「でも、そうですね。あえて言うなら、人様のプライベートをここまで本に書いちゃって、問題ないの? とかは思いますけど。」

 私の一言は、シルバーの予想の斜め上だったらしく、彼はガックリとしていた。

「さすが、チビッ子。気にするのが、そことはね。ちなみに、今あなたが読み取ったものは、スズ様とマナ様の複合記憶だから、問題ないわよ。」

「えっ、複合記憶って、何ですか?」

 シルバーはちょっと考え込んでから、説明してくれた。

「まっ、いわゆる自分の記憶していたものをクリスタルに写して、他の人が見えるように、再現したものって言えば、わかるかしら?」

 なるほど、私の世界でいう記録ビデオのクリスタル版か・・・。

 もっとも、こっちの方が、直接記憶から写せるから、もっとすごいような気がするけど。

 私が違うことを考えていると、シルバーは、なんでかまた違う質問をしてきた。


「ところで、私にもその内容を教えてくれない。」

「へっ?」

 私はシルバーの言っている意味が分からなかった。

「内容を教えろって、どういうことでしょう?」

「私もブランも、噂は知ってるけど、真相を知らないのよ。だから教えて欲しいんだけど。」

 シルバーの目が鋭く黒子を見つめていた。

「なんでですか。単にこの本を読めば、いいだけですよね?」

 私は自分が持っている手元の本を見た。

 いつの間にか、さっきの題名が消えていた。

 不思議に思って、本を見ていると、ブランがお茶を出しながら、理由を教えてくれた。

「このクリスタルブックは、特定人物宛の一度っきりの再生ですから、あなたが呼んだ時点で、全てクリスタルから記憶は、抹消されています。」

「それって、見た所から消えていくってこと?」

 ブランは頷いた。

 なんて便利なもの、でも特定の人物って、なんで私なんですか?

 私が色々考えて、いっぱいいっぱいになっていると、重ねてシルバーが聞いてきた。

 シルバーは好奇心いっぱいの目で私を見た。

「嫌です。こんな個人的なこと、見ちゃった私が言うのはなんですが、人に言えるわけないじゃないですか。」

「個人的なことですか。」

 シルバーはおかしそうに笑っていた。

 その時ちょうど、砦の定時になる鐘の音が聞こえて来た。

「もうこんな時間ですか、遅くなると公爵家に怒られそうですから、ブラン、送ってやってちょうだい。」

「分かりました。」

 私はシルバーに急かされ、ブランに促されて、砦を出ると、公爵家の屋敷に向かった。



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