45攪乱
また画面が止まったので、私は本を次のページにした。
画面は、薄暗い山の頂上を映し出していた。
マナたちは、徒歩で険しい斜面を、荒い息を吐きながら、山の頂上を目指して登った。
日が落ちて、薄暗くなった頃にやっと着く。
すぐに、そろそろと崖に近づいた。
その真下には、敵の本陣が見えた。
上から下を見ると、足がすくむほどの斜面だ。
ある意味、ここから飛び降りるのは、自殺するような感じだろう。
思わずマナの喉が、ごくりとなった。
気がつくと、全身が細かく震えていた。
「まったく、いやになる。」
マナは、独り言を呟いていた。
「今なら、まだ間に合いますよ、お嬢様。」
ルドルフが後ろから声をかけた。
「お前は震えないのか?」
マナの質問に、ルドルフは、手を差し出した。
その手は緊張の為か、小刻みに震えていた。
マナは目を瞠った後、こう問いかけた。
「年か?」
ルドルフは目を丸くした後、スッと手を戻すと、微笑んだ。
「若くはありませんが、戦前はいつもこうです。ちなみに、お嬢様のお爺様もこうでしたよ。」
マナは、それを聞いて、肩の力を抜くと、後ろを振り返って頷いた。
そして、反動をつけると、崖を蹴って、宙に躍り出た。
うおぉーーー
次にルドルフ以下、5人が次々に、崖を蹴って、後に続く。
うおぉーーーうおぉーーーうおぉーーーうおぉーーーうおぉーーーうおぉーーー
真下の本陣では、薄暗闇の中、いきなり唸り声が響いて、全員が浮足だった。
そこへ、マナたちが空から飛翔魔法を駆使して、本陣の真ん中に飛び降りた。
敵は大混乱して、浮足立った。
それを次々に、マナたちが斬り伏せていく。
ガッキーン ガッ バキーン
阿鼻叫喚の中、ヘンリーも隊を率いて、中央から攻め立てた。
敵は混乱しながらも、ヘンリーが率いる隊に向かって、集中的に攻撃する。
マナ隊は、一直線に本陣にいる大将を狙った。
真っ直ぐに、そこに向かう。
大混乱の中、緋色のマントをした大将を見つけた。
何も考えずに、その男に向かって、剣を突き出した。
大将が振り向きざま、マナの剣を弾こうとしたが、その時には、すでに敵の懐に潜り込み、下段から斬り上げていた。
うぁー
一瞬で大将の剣を弾いたマナが、そのまま大将の首筋に剣をあてる。
ルドルフが、周囲の敵を殲滅した後、大声を上げた。
「大将を殺されたくなければ、剣をひけぇー!」
ルドルフの大声に、周囲が凍り付いた。




