表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/99

10.露天風呂

 私は、その日、アイリーン姫のログハウスに泊めてもらうことになった。

 夕食は、ホークが持ってきた、公爵家の料理人が作ったという豪華料理だった。

 あまり期待してはいなかったが、それなりに美味しかった。

 私からすれば、ファミリーレストラン並みの味だが、二人は嬉しそうに食べている。

「ホークは気に入らないが、公爵家の料理人は、さすがに、いい腕をしている。」

 イアンはしきりに、公爵家の料理人を褒めている。

 見るとアイリーン姫も同じように、イアン程ではないが、嬉しそうに箸をすすめていた。

「どうかしたの、黒子?」

 あまり食べていない私を気にして、アイリーン姫が声をかけてくれた。

「アイリーン姫。どうせ庶民です。食べなれないので、食欲がわかないだけでしょう。」

 相変わらずの上から目線に、ちょっと腹が立つも、言い返しても、きっとこいつには、通じないので、言うだけこっちが損をする。

 私は黙って、そのまま食べた。

 夕食後、昨晩と同じように、姫の寝室に私とアイリーン姫、リビングにイアンが寝ることになった。

 私がまた外の井戸で、水浴びしようとすると、アイリーン姫に止められた。

「こっちよ。」

 アイリーン姫は、私を奥のドアに引き入れた。

 中を開けると、そこには、青々とした木々に囲まれた露天風呂が広がっていた。

「なにこれ。すごすぎ。まるで高級旅館の露天風呂そのものじゃない。」

 私の呟きに、うれしそうに頷いたアイリーン姫に同性同士だし、一緒に入らないと誘われ、喜んで頷いた。

 ちなみに、私の周りを飛んでいた妖精二匹は、硫黄の匂いが苦手なようで、寝室のベッドの上に二匹で縺れ合っていた。

 ナニしようとしてるんだと思ったが、無視することにした。

 なぜか気にしたら終わりのような気がしたのだ。

 すぐにアイリーン姫に現実呼び戻されて、私は着替えを持つと、露天風呂に入った。

「うーん、気持ちいい。でもなんで、ここに露天風呂があるの?」

 私が不思議に思って尋ねると、アイリーン姫が、大きな胸を洗いながら、答えてくれた。

「ここ、もともとホークの持ち物なのよ。」

 アイリーン姫からそう告げられたが、それがこれとどうつながるのか、全く理解できなかった。

「ホーク宰相の持ち物と露天風呂がどうつながるの?」

「えっと、ホークの四代前のご先祖様が、異世界人だったの。」

 アイリーン姫のびっくり告白に、さすがの私も絶句した。

「ホーク宰相は、とても日本人には、見えないけど?」

「えっと、何代か後になると、あまりそういう特徴がなくなって、こっちの世界の特徴の方が強く出るの。特に、ホークの父親は、王族なんで、ホークも外見は王家の血筋が強いようね。」

「なるほどね。」

 アイリーン姫は、いつの間にか、私の傍で湯船に浸かると、そう話してくれた。

「そう言えば、このログハウスから帰る間際に、政略結婚がどうとか言っていたけど?」

「ああ、まあ。私、これでも王家で5番目の姫なの。なんで、そろそろ政略結婚の話が出てもおかしくはないのよ。」

 アイリーン姫は、項垂れて話してくれた。

「でも、相手がかなり年上で、出来れば断りたいんだけど、きっと無理ね。」

「あの切れ者宰相に頼めば、何とかなるんじゃないの?」

「うん、ホークに言わせれば、その男との政略結婚がいやなら、イアンと同衾しろって、言われたんだけど、・・・・・・。」

 アイリーン姫がそう言って、顔を真っ赤にすると、いたたまれなくなったようで、温泉を出て、部屋に走って行った。

 イヤもなにも、アイリーン姫にそう言われたら、真っ赤になって、頷きそうだけどなぁ、あの男。

 私がそう考えていると、アイリーン姫が戻って行った部屋から、悲鳴が聞こえた。


「キャー、見ないで。イアンの馬鹿!」


 何が起こったんだろうか?

 私は湯船から上がって、ゆっくり着替えてから、悲鳴が聞こえた、部屋に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ