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sandglass

《sandglass》


あなたの剥いた林檎(りんご)(かじ)ってみれば

(ほの)かに甘い音が漂ってゆく

「生きているって、どういうこと?」って

問い(たず)ねるにはあまりに息苦しいこの部屋で


日めくりカレンダーの様に(けず)られていく

ただそれだけの私には

最早希望も望みも有りはしないのに

あなたは何故明日を()いるの?


温かい気持ちがまだ私を縛りつけ

駆け出す脚などとうに無くしているから

その思い遣りでいっそのこと私を

刺し殺してくれればいいのに



届かない明日があることを思い出してしまうから

カレンダーはもう片付けて

何かをこう、うまくひっくり返したら

私の時間がかえってこないかな?



優しい嘘がまた私を(さいな)んで

逃げ出す手さえも絶たれてしまうなら

その優しさがゆっくりと私を

締め殺してしまえばいいのに



閉じた時間が少しずつ

何処かへ消え失せてゆく

私もガラスの檻の中

ゆっくりと沈んでゆく


温かい腕がまた私を包んで

どこにも逃げ出すことはできないから

その温もりを私はしっかりと

噛み締めていたい



孤独を噛み殺して

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