ようこそ 占いの館へ
ヒョーカはハッとなって気が付く
すっかり母の気に当てられて、自分自身褒められてうれしくて忘れてたようで
(まだ メニュー全部確認してなかったじゃん…母親パワー恐るべし…)
とは 言ったものの 召還獣とパーティ にいたっては何もおきなかったのだ
とりあえず 押しては見たものの両方とも空欄で 非常につまらなかった。
更に、ヘルプもこれまた意味がなく、自分が見聞きした情報をそこに残しておくだけの昨日みたいだった。
全然ヘルプじゃないジャン。 確かにそのとおりである。
それはおいといて、
(そもそも魔法もまだ、『水球』しか作れてないし…色々試さないと…)
そう思ってとりあえず手をかざしながら、とりあえず自分が思う魔法を一通り試してみたところ…
水系統以外ほとんどが、お情け程度にしか使えなかった
……えと 私って才能ない?
『水』の時はただ思っただけであれだけ出たのに……
(やっぱり相性とかあるんだなぁ)
とか思ってた矢先
「ヒョーカちゃんちょっとお着替えしましょうね~」
といって、母リンが突然わたしの服を脱がそうと、私の着替えを持って入ってきた。カチャ…
な…なんで鍵を閉めるんですか…
「さあ お出かけしましょうね♪」
ヒョーカは、きっと昨日の件で何かあるんだろうなぁ…やっぱり魔法なんか見せるんじゃなかった、と内心不安を覚えながら転生後初(自分が意識がある時では)家の外に出るのであった。
ヒョーカは、目をキラキラさせながら外を、母の腕の中で見ている
いっぱいの木々というか、森の中に家があるような感覚でなおかつ家の殆どが木造であり大自然!って感じだ
どうやらここは結構大きな村みたいで、家から感覚で20分くらいのところにある場所まで来ていた
「さあ 着きましたよ」
ヒョーカはまたしても不安に思う…
たどり着いたところは、いかにもあやしさがにじみ出ている建物で、全体が真っ黒だ。
看板には、《ようこそ 占いの館 ベルーガの館へ》と書かれている
(うわぁ ここなんだ…目的地…館2回も入っちゃってるよ…)
ヒョーカがそんなことを思ってたのを知ってかしらずか
「大丈夫よ わたしの知り合いの家だから」
とヒョーカに向かって話しかけつつ中へと入っていった
母が中に入ったはいいのだが、中が真っ暗で何も見えない…
と思ったのもつかの間急にあたりに青色の光が灯る
ゆっくりと全貌が明らかになっていくにつれて、ヒョーカの表情はというと…
輝いていた
前方に、二人人がいるのがわかる…
一人は女性で、頭に魔女の帽子ちょっと見える顔から美人だと推測する
後かなり ボン キュ ボン な体系だ…うらやましぃ…じゃなかった
二人目は、かなり年をとって見える男性で、長い鼻が特徴で体系はかなり細々としているが、一回目が合うと離せなくなるほど爛々とした眼をしている
なんかどっかで見たことあるような…ヒョーカが考える前に男性のほうが口を開く
「ようこそ・・・我が《ベルーガの館》へ・・・
申し遅れましたな。 私の名はガーベル・ベルーガ…お初にお目にかかります」
…
「この部屋・・・夢と現実 精神と物質の狭間の場所… 《ベルーガの館》の主を致しております。」
えと…突っ込むべきなのだろうか やめとくべきか迷ってる間に、母と女性のほうを見たら二人とも同じような微妙な顔をしている
「本来は、何かの形で私と出会った方のみが訪れる部屋。どれ・・・・まずは、お名前をうかがっておくと致しましょうか・・・・。」
「えと…ミナツキ.ヒョーカです」母が答える
「・・・ふむ、なるほど。では、貴方の未来について、少し覗いてみると致しましょう・・・・。占いは、信用されますかな?」
だめだこの爺さん早く何とかしないと…
「おじーちゃんその位にしないと、ヒョーカちゃんが変な顔してるよ…」
「おぉ そうかそうか」
どこまで行くのか心配してたけど、茶番は終わりらしい
「あぁ おじーちゃんのせいで挨拶し忘れた。私の名前は ガーベル.リリン。おじーちゃんの孫なの」
リリンさんというのか…と思いつつ よーく見てみると耳が尖がって長い
むむ!もしや…と思い眺めているとリリンさんが帽子をすっと取ってくれる
「ヒョーカちゃんはエルフが珍しい?」
と言ったのである。エルフですよ!エルフ!やっぱり魔法とか得意なのかな?
それにしても、エルフにしては色々と出るとこでてるよね…
他のエルフもイケメン 美人揃いなのかなぁとか思ってると…
そういえばベルーガさんがいたじゃない…なんだか残念な気持ちになっていると、
「おじーちゃんは昔はかなりもててたらしいよ?近所のおばちゃんから聞いたけど…」
「失礼な孫じゃな…今もバリバリじゃわ」
「「ないわー」」
と 母とリリンさんが同時につぶやく
「つーん 占ってやらんぞ せっかくリンちゃんの娘が見れると思って、わざわざ用意してたのに…」
「まったく…しょうがないなぁ。」
そういって倉庫をあさりだしたリリンさん「はい おじーちゃん」といいつつ何かを手渡した。
ベルーガさんは、それを見た瞬間「こ…これは…お隣の…」とか言って機嫌がすこぶる良くなった。
「さて 見てみるかの」
(現金なお爺ちゃんだな。)と ヒョーカは思う
「ほれ リンや、ぼけっとしとらんで ヒョーカちゃんをこっちに連れてこんか」
「あ はい」
ベルーガ爺ちゃんとリリンさんのやり取りをボーっと見てた私たちは、足早に向かう。
「ほれ ヒョーカちゃんや、ここに手を置いてごらん」と手のひらサイズの水晶の球に近づき
「あい…」
返事をしつつ そっと手を置く
「・・・・・・・・・・・」
ベルーガ爺ちゃんが何かつぶやくと強い光を放ち水晶が粉々に砕け散った…
「「「え?」」」
3人がポカーンとしてる中、母だけがニッコリと笑顔でたたずんでいた。
どう考えてもあれにしか見えないですよね…好きなんです はい