誰もいない世界の中で [千文字小説]
題名には小説とありますが、ジャンルは「詩」です。 では、どうぞ。
この世界には、とても大きな湖がある。 ―それは私の涙で出来た湖。
この世界には、暗雲ばかりの空がある。 ―それは私の曇った心の様で。
誰も、誰も、この世界にはいない。 私以外の生き物は、存在しない。
いつも冷たい、 寒い寒い世界。 ―私はそんな世界で生きている。
夏が来ることはなく、いつだって季節は冬。 ―私はいつも凍えている。
眠いんだ。 もう、疲れたや。 少しでいいから休みたい。 だけど、休めない。
私は、いつだって頑張っている。 頑張っているのに、なぜか上手くいかない。
何処からか聞こえてくる、何かが鳴く声。 ―それは鳥か?虫か? 人間か??
常に私は苦労している。 ―なのに、なんで、私だけが報われないのか?
この世界には、朝の来ない夜がある。 ―私の目の前は、いつだって真っ暗で。
この世界には、月のない夜空がある。 ―星も明かりもない、ひたすら暗い世界。
怖い、 誰もいないから。 この世界には、私以外には誰もいない。
いつも寒い。 今日も寒い。 怯えて、私はいつだって震えているの。
誰も来ない。 いつも寂しさを感じて震えているの。 ―私は寂しいよ。
辛い。 もう、無理だ。 少しでいいから、人間 辞めたい。 だけど、出来ない。
私は、いつだって努力している。 なのに、他人は私を責め立てる。
何処からか聞こえてくる誰かの鳴き声。 ―それは君か?誰か? 私なのか?
常に私は泣いている。 なのに、なんで、私だけ? 私はなんで、報われないの?
誰もいない、一人ぼっちの寂しい世界。 この世界は、とてもとても暗くて暗くて。
もう、何もやりたくないけど、やらなくちゃいけないのが“現実”という世界で。
諦めたいけれど、心の底から諦めることが出来ない。
それは、「逃げちゃ駄目だ」という言葉を知っているから。
悔しい、苦しい、辛い、辞めたい。 ―それでも、必死に耐えている。
必死に耐えて、ボロボロになって、 光が見えなくても、それでも歩き続けてる。
「大丈夫」なんで嘘だよ。 本当は助けて欲しいんだよ。 だけど、言えないよ。
未来を信じる事の出来ない私は、強くなんてないのにさ…。
だけど、一筋の光が見えるまで、必死に耐える事に決めたから…。
―光はまだ 見えない。 目の前に広がる色は、真っ暗闇。
だけど、いつかは明るくなると信じているから、 負けない、辞めない、諦めない。
例え、他人に負けたとしても、 自分にだけは負けないように頑張り続けるんだ。
“決して、諦めない” ―この根性さえあれば、絶対 勝てると信じているから。