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幸せの黒い小鳥

アルベルトが私を監視しているのはわかっている。

新しく配属されたギフト指導の魔法使い、侍女とは距離を取り言葉を封印した。


「聖女様、お食事の時間です」


「……」


「【想像】のギフトなのに物を作れないのか?前任者は何を教えていたんだ」


「……」


手を握りしめ、歯を食いしばり絶え続けた。

1ヶ月経つ頃には、新しい人たちは寄り付かなくなった。


私はイメージする。

この状況を、この気持ちをどうすればいいのか。


「【想像】」


なんてことはない。

私の手には一丁の拳銃が収まっていた。


「…ははは」


乾いた笑いが込み上げる。

私は慈しみ皆を愛する聖女ではない。

好きな人も守れず、戦う力しかない破壊者なんだ。




庭園に出た私は黒い小鳥を探した。

見回す限り見当たらない。


そうだ、あそこにいるはず。


そう思ってレオンと初めて会った庭園の奥地へ向かった。

色とりどりの草花、庭園は今日も綺麗だ。

そんな中に異質な色がある。


見つけた。


小鳥は私に気付いても逃げなかった。

シロツメグサの咲き誇る一角。

クローバーをベッドにするように小鳥は寛いでいるようだ。


両手で小鳥を囲い、内緒話をするように唇を寄せた。


「魔族の国に行く手助けをしてほしい」


私が上体を起こすと、自由になった空間から小鳥は飛び立っていった。

それを見送り、いつものように空を見上げる。


青く澄んだ空はどこまでも高かった。

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