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秒で息ぴったり

作者: ことり。

私の家はとりあえず物が多い。



家族みんな片付けや掃除が苦手だ。



片付けたり掃除をしたりする時間がなかった訳じゃない。



ただみんなズボラな性格なだけ。



でも私は両親とは息がぴったりで色々あってもなんとか乗り切って来た。



あの生意気な弟を除いては、、、。



それは友人を呼んで私の誕生日パーティーをした時のことだった。



うちの両親の片付けは少し変わっている。



友人が来る1時間前くらいに散らかった物を部屋の隅にモップで寄せて山積みにしてパーティーの出来るスペースを作ってくれていた。



「いらっしゃい」「お邪魔します。」



パーティーはとても盛り上がり私はみんなからプレゼントをもらいとても楽しい時間を過ごしていた。



「みんなありがとう。これ欲しかったんだー!大切にするね。」



みんなから貰ったプレゼントとラッピングされていた紙、袋などで周りが散らかってしまっていた。



「じゃあ鬼ごっこでもしようよ!」



1人の友人が言い出した。



「じゃあこの部屋の中だけね!あ!その前にここ片付けないと走れないよね。」



と私はモップを取り出しみんなに貰ったプレゼントを山積みした物の方へと一気に寄せた。



「ちょっと!いくらなんでもひどくない?なんでモップでまるでゴミみたいに片付けるの?信じらんない!」



友人たちは口々に怒り出した。



「ちょっと待ってよ!私の家の物には上下という物があるの。家のモップは2つあって、ゴミを寄せるのには下のモップを使って大切なものにはこの上のモップを使ってるんだから。


私の家では先祖代々大切なものはこの上のモップを使うって言う伝統があって、それをみんな大切にしているし、引き継いでいるの。


だから今日のパーティーも上の階の2階でしているし、大切な人を呼ぶ時は上の部屋へ通すようにって言う先祖からの大切な教えなの。」



「何も知らずに勝手なことを言ってごめんね。

こんなにも私たちの事を大切に思ってくれていたなんて。とても感動したわ!」



すると山積みにしていたものがガタガタと音を立て動き出した。



「え!?何?!」



友人たちは一体何が出てくるのかと怯えていた。



「ぷはーーー!」



山積みの中で昼寝をしていた小学校低学年の弟が私たちの騒ぎ声で目を覚まして出て来たのだ。



「今ねーちゃんが言った事はぜーんぶ嘘だよ!何が伝統だよ!モップ使ってるのは掃除機にゴミがいっぱいになっても捨てないから使えなくなったからモップで何でも寄せるようになったんだ。2階の部屋なのは1階は物が多過ぎて人が入れないからだよ。


何で高学年にもなってこんなしょーもない嘘に騙されるんだよ。ばかじゃねーの。」




「あぁー!我が愛しき弟よ。また邪悪な悪魔が暴れ出しているんだわ。父さん、母さん上の塩を早く持って来て!」


「はいよ!」



友人たちはその私たちの圧倒的な演技力に完璧に騙されてくれた。



しかも悪魔祓いなんて見るのは初めてで感動したと言ってくれるものまでいた。



あぁー今日も息ぴったりだったね!



父さん、母さん!












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