そらまめのそらもよう~episode1 達成感~
まだ薄暗い早朝のこと。
ひとつぶのそらまめが、畑の中を歩いていました。
空気が冷たくて、そらまめは自然と急ぎ足になっています。
タッタッタッタ
虫にだけ聞こえるくらいの小さな小さな足音がひびきます。
畑をぬけて道をわたると、
上へのびた長い階段がありました。
そらまめには、階段の上まで全部は見えません。
そらまめは、階段をのぼりはじめました。
小さなそらまめにとって、1段のぼるにもひと苦労です。
とんだり、はねたり、はいあがったり、
途中にはえている草や、ころがった石ころを
うまくつかってよじのぼったり、
たまには、頭からでんぐり返しをしたりして、
何段も何段ものぼります。
そしてそして、やっとたどりついた最上段。
そこには、りっぱな神社がありました。
にらみつける2匹の石のこま犬を横目に、
そらまめはすすみます。
大きな鳥居の前で、そらまめはきちんとおじぎをしました。
拝殿の前までやってきて、
そらまめは、パンパンと手を打って、お祈りをしました。
そしてふりむいたその目の先に見えたのは、
いま、昇ろうとしている太陽でした。
そらまめは、朝日に照らされながら、
太陽が昇り、明るく照らされて
美しくかがやく畑の景色を
しばらくじっと、見つめていました。