一話 「箱の配達」
小さな箱を持ちながら歩いている小柄な少女の名前は朴亜。白髪で、目は宝石のような水色。イカリングのような結び方を2つ、高い位置にし、その下の結び目にはちょこんと白い髪がはみ出していて、頭に大きなリボンをしているのが特長的だ。服は主に水色の着物。腰には小さい刀が付けられている。
「ただいまー」
朴亜は明らかに古そうな家へと入っていった。
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「ただいまー」
「おかえりー」
僕の名前は朴亜。僕っていってるけど一応女の子。今日、バイト先からスイレンに荷物を届けて、もう家に帰っていいよって言ってたんだよー。神やん?もう。まだ午前中ってのにもう帰っていいって!ほんと、これ以上すんばらしいことはないよ!
ってこと思ってる間にスイレンの部屋着いちゃった。早く渡すもん渡してゲームしよ!
そう未来を期待しながら、スイレンのいる部屋に入って____
「えー、いない?」
そこには、誰もいなかった。
待って待って待って待って。これ仕事って言われたから渡さないとゲームどころか他のこと一切できないんだけどは?は?は?
終わったーーー。そう諦めかけた時______
「もしかして朴亜、スイレン探してる?」
「おーまいがー!?僕はついに霊の声が聞こえるようになったの!?…あー!もう何もかも終わったー!怖いよ怖いよ〜痛いのだけは勘弁してー!最期にわらび餅を食べたかったー!!」
「霊じゃないしお前一番の好物わらび餅じゃないだろ!?」
「そおいうのは気分なんだよおおおおお!」
「えー怖…」
大声をだして落ち着いたのか、朴亜はようやく声の主が分かった。
「え、だいふくだったん?」
だいふくというのはハムスターの亜人で朴亜と同じ白髪。10代くらいの男の子。和風の雰囲気には合わない白いTシャツにズボン、その上に金色の花の模様がいくつか描かれている紺色の上着を着ていて、ニート。
「最初っからおれだったよ!お前はなにを見てたんだ!?逆におれが怖いよ!!」
だいふくの話は七割聞く価値がないから「お前はなにを見」ってとこから聞いてないよ⭐︎
ってことは置いといて、だいふくは、んー…
「ショタ!」
「急にどした?お前が幼い男の子の2Dが好きなのは全部お見通しなんだよ」
「なっ、なぜバレた?」
だいふくが得意げそうに何か喋り始めた。まあどうせ聞く価値がないので少しも頭に残っていないが。
朴亜は無心になりつつ、だいふくにゲームを誘って一緒にゲームをやり始めた。
スイレンがどこに行ったのかという大きな本題を忘れて_______。
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「うおお!いけいけー!!おらあ!ちょちょちょちょ…しぬしぬ!うおー!いけえ、朴亜アタックッッッ!!…いえーーーーーーい!!」
「はー、強すぎん?ってかゲームやってたらより見た目と人格の違いがやばいくらいわかりやすいな…。それよりさー朴亜〜」
「?なに?ズルとでもいうわけ?ならもう一回やって…」
「違う違う、いい、いい。」
構えた朴亜を平気で振り払うだいふくを見て、朴亜は心の中で「は?」を連呼した。
さすがに今回は話を聞こうと思った朴亜は、「じゃあなーに?」と言った。
「___お前、スイレン探してたよな?その、スイレンのことはいいのか?」
この言葉で朴亜は思い出してしまった。言われたときは何気なく聞き流していたが、今となっては地獄のような言葉だった。
「朴亜、この箱をスイレンに届けるまでは、遊ぶ、ましてはゲームなんてしだしたら______給料から金を50%引くからな?」
ああああああああ!終わった。もう終わったを今日だけで3回くらい言ってる気がする…
もう無理だ…給料はもう半分もパアしてしまうんだ…ああー
「おいおい急に止まってどうしたどうした」
「ああああ給料〜給料が〜あーーー」
「え、怖。給料給料星人じゃん。」
少し引き気味にだいふくが言った。よく足元を見ると、朴亜から少しずつ距離をとっている。
「逃げんな〜、スイレンがどこに行ったか教えろおおおお!」
「おい完全にヤンキー&ヤクザに憑依したぞ。誰か助けて〜」
少し間を置いたあと、だいふくが観念したかのように口を開いた。
「はあ、6丁目の棚木さん家だってよ。3階な。諦めてそっち行ってくれた方がおれもゲームの練習できるし…」
「行ってくる!」
だいふくが言い終わったときにはもう朴亜は出かけていた。
「あーはいはい。いってらっしゃい。……よし!ゲームするか!」
そしてこれから、「ある事」が起こるのだ。
キャラ説明分かりづらいかもしれませんm(_ _)m