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七話:至福を邪魔する蜥蜴



あぁ、今日は楽しかったぁ〜。


あのあとたくさんの料理を食べさせてもらった。

全て美味しかったので記憶を頼りに再現させてもらう所存です。


それはともかくとして、時間がちょっと遅くなったなぁ。

久しぶりに違う行動したからなんだか新鮮。


普段は楽しいよ?けど、こういうのもやっぱり楽しいよね。


またこようって誓って帰った。


そういえば、なんか記憶があんまりないときになにかしたような。

気のせいか。


そのまま帰宅して眠りについた。



次の日。


「う、うぅー。なんかうるさい」


朝、騒音で目を覚ました俺。

誰だ?眠りの邪魔をしたやつぁ。


外を見ると、なんかごっついのがあった。


「えっと、軍用のやつ?」


それは軍用のヘリだろう。

恐ろしいのはミサイルを普通に積んでること。


落ち着こう。

ちょっと待てよ?

今、まだ朝五時にもなってない時間になんのようでしょうか。


ここには入れなさそうだけど、なんか嫌だなぁ。


そうだ、風魔法で自然な形でお帰りいただこう。


「えっと、エアロバースト」


風を圧縮方向性を持たせて爆破。

そうすることでとてつもない風が生まれる。

それは当然軍用のヘリとしても楽々ぶっ飛ばすくらいには。

何か、必死になって探しているみたいだけど、ここにはありませんよ。

それよりも俺の睡眠の邪魔をするな。


ということで帰宅させた。


それが今朝の出来事。

今日は特に何もないのでいつも通りのタイムテーブルで回していこう。


しかし、最近はそのタイムテーブルで上手く回せないんだよね。

理由は主に来訪者。

外的理由。

迷惑な話だ。迷惑ばかりじゃなかったけど。


朝、水浴びをしているとき、遠くから明らかに人の悲鳴が聞こえた。


俺はそれを無視した。

男の大人のだったし。

それに今俺は入浴中。

そんな中で助けるかってなるのはどんなお人好しですか?


「はぁ、気持ちいい」


と、完全にそのことを忘れて浸かっていると、何かが降ってきた。


そして、それは丁度良く俺の風呂に入ってきた。


「はっ?」


突然、何だこれ?

剣?少し良いとこのやつだな。

いいや、それは知らん。


だが、許さん。

許さんぞ!


「どこの誰か知らんが、人が気持ちよく使ってるところにこんなもん投げ入れやがって……ぶっ殺す」


俺は何もかも忘れて殴り込みに行った。



少し飛んだところで、見つけた。

原因。

魔物と何やら戦っている人たち。

うち一人が剣の鞘だけ持っているやつがいたので間違いないだろう。


「蜥蜴がぁ」


その人らが戦っている魔物は多分蜥蜴だ。

そいつが原因で……


「死、ね」

 

俺は何も考えずそれを剣で八つ裂きにした。


ふん、つまらぬものを斬ってしまった。


何やら俺のほうを向いて何か言いたげな表情をしてる。

どうでもええや。


「今回はこの蜥蜴のせいだから許してやる。だが、次至福の時間にこんなことがあったら、明日はないからな?」


俺はそれだけ言い残して去った。


後々気づいたのだが、俺素っ裸でそんなことをしていたっぽい。

恥ずかしい。



・・・


俺は増田ますだ

冒険者をしている。


今回の依頼はお偉いさんからの依頼だった。

何でもあの魔境に人がいるらしいのでそれに話をしてきてほしい、という話だった。


そんなバカな、とは思う。だって魔境だ。あそこはSランクの冒険者がパーティーを組んで戦ってようやく()()()()()()場所なのだ。


しかし、受けないわけにはいかなかった。

仕方ないので、俺含めたAランク五人でその依頼を受けた。



入ってから何十分は何もなかった。

しかし、それからだ。

ここが魔境たらしめるものを見たのは。



「おい、なんかくるぞ?!」


仲間の一人のそれに俺はその方向を見た。

その姿は、


「わ、ワイバーン」


国家が総力を上げて戦う魔物。ランクはSランクオーバー。

ワイバーン。


俺たちは死を覚悟した。



「ギャァァァ!!?」


戦ってみると話よりも数倍以上ヤバい敵だった。

飛ぶわ、火吹くわ、硬いわ。

どうしょうもなく、戦っていたら、一人が悲鳴を上げた。

見ると右肩が抉られ、肉が飛び出ていた。

それを見ていたら、俺は一瞬の気の緩みが生まれた。


「増田!」


気づいたときには剣が吹き飛ばされていた。

それを防げたのは奇跡とも言えたが、それも意味のないもの。


置物になってしまった俺はできるだけ囮となれるように装備を外して走った。


それから少しして、俺たちは完全崩壊した。


これから、俺は死ぬだろう。

だが、誰か一人でも逃がす。それが最後の使命。


「囮になる。逃げろ!」


けど、皆一様に笑みを浮かべて武器を構えた。


フッ。


「最後まで汚らしく、生きてやる」


覚悟を決めて、突貫しようとしたその時。


「死、ね」


どこからか、そんなのが聞こえた。


すると、ワイバーンは八つ裂きになった。


何が起きたかわからなかった。


「お、おい、あれ」


苦笑いを浮かべて俺に上を見るように示す。

それに従い上を見ると、人がいた。


一糸乱れぬ姿で飛んでいて、俺たちを見下していた。


そして、こう言った。


「今回はこの蜥蜴のせいだから許してやる。だが、次至福の時間にこんなことがあったら、明日はないからな?」


と。

 

ワイバーンが、蜥蜴。

そんな格の違いを見せられた。

そして、その人こそ俺たちの依頼内容の人だとも理解した。


だが、そんなことを言われて、あんなのを見せられて行動に移せるなら名乗り出てほしい。


あれは無理だ。


「はぁ、こんなとき、華海かうみ先輩ならどうするんだろうな」


しばらくその場に立ち尽くした。

その間、俺はこんな世界になる前の頼れる先輩を思い出していた。



・・・


はぁ、改めて風呂。

あったけえ。


「結局さっきの人たち何だったんだろうな」


そこら辺、よく考えてなかったんだよなぁ。

失敗したけど、まぁ、問題はないか。


それからいつも通りの練習をこなして、お待ちかねの料理の時間!


「あれを作ってみたくて、ウキウキしてたんだよな。さっ、レッツラクッキング」


再現したいのは、あの最初に食べた串焼き。

肉はどうにかする。

問題はソース。

多分自家製。

あれにどこまで近づけられるかだ。



それから色々な食材を使い色々と混ぜ合わせて、近い味を探していた。


これは違う。

これも違う。

遠からずも近からず。



「だぁぁ。駄目だ。明日もう一度食べに行こう。そしてまた挑戦しよう」


結局思い通りのものにならず、俺は仰向けに寝転び、明日の予定を決めた。


まぁ、一日でできるなんて思ってないし、お金はなんとかなる。

完成するまで何回でも行こう。


俺はそう決心した。


・・・


そうか。

冒険者は遭遇までしたが、接触はできなかったか。


だが、これで本当に住んでいることがわかった。

ヘリを飛ばして確認したり、して家があるのはわかったが何故かそれ以上は近づけなく、確認できなかったが、これで確定した。

娘の言っていたことは本当だった。


礼をしたい。

我が娘を救ってくれた人に。

それだけで彼は動いていた。


冒険者が遭遇した報告を聞いたとき、私はすぐにどう接触するかを考えていた。

冒険者の報告では、ワイバーンに遭遇した。

そしてそれを彼の人が八つ裂きにしてしまったしてしまったと。


これも信じ難いが事実であり、証拠も存在する。

その強さがさらにこの案件を厄介にしていた。


「どうにかして接触できないだろうか。できるだけ刺激しないように」


私は思考を巡らせた。

 




継続六日目。  


サイドで無理矢理三千に届かせた感じ。

最近はワイバーンさんは蜥蜴のイメージが定着してきてる気がする。


それではまた~



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